コラム「透視図」

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毒舌家

2016年4月29日

 ▼アイルランドの著名な評論家ジョージ・バーナード・ショーはかなりの毒舌家としてよく知られている。1931年、『リバティ』の取材で当時の英国経済について尋ねられた氏は、富の分配の観点からこう答えたそう。「プロの強盗どもにうまい汁を吸わせた後の富を街頭に放り出して、最も腕...

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連休は美術館

2016年4月28日

 ▼内閣官房参与として芸術文化政策の立案に関わった経験を持つ劇作家・演出家の平田オリザ氏は、消費不況を乗り越える手段についても一家言あるようだ。『芸術立国論』(集英社新書)に書いている。「モノ」が幸せをもたらしてくれない今、人々が切実に求めているのは「美しい自然環境...

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新エンブレム

2016年4月27日

 ▼陸軍の軍医でもあった森鴎外は、1884(明治17)年から5年間、衛生学を学ぶためドイツに留学した。当時の経験に想を得た小説を幾つか残しているが『うたかたの記』(90年)もその一つ。主人公が街で出会った花売り娘に心を奪われる話だ。娘の顔を見た瞬間の心の揺れをこう表現している。「濃...

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春の一日

2016年4月26日

 ▼先の日曜日、春の陽気に誘われ、近所の琴似発寒川沿いの遊歩道と西野緑道を歩いた。函館では同日、五稜郭公園のソメイヨシノが開花したが、散歩しながら眺めると札幌もあと一息のよう。ただ紅梅が幾本かまぶしいくらい鮮やかに咲いていて、目を楽しませてくれた。河川敷からは親子...

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うそのデータ

2016年4月23日

 ▼今でこそ人情味あふれる時代小説を数々世に送り出している山本一力さんだが、意外にも若いころ「限りなく嘘をついた」そう。『わたしの失敗』(文春文庫)で知った。原因は浮気。そのため2度結婚に失敗しているらしい。つじつまを合わせるにはうそにうそを重ねるしかない。一力さんは...

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新フレーズ

2016年4月22日

 ▼道産子であれば昔から耳になじんでいて、少し聞いただけですぐにそれが何か分かってしまうフレーズがある。例えば「お、ねだん以上」ニトリ、「一番そばに」ツルハ、「おはようとともに」道新スポーツ、という具合。つい口ずさんでしまう人もいよう。商品名を前面に出す形もあり、...

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キャパの時代

2016年4月21日

 ▼20世紀を代表する報道写真家にロバート・キャパがいる。悲惨な戦いが続く当時のインドシナ戦線の現実を世界に伝えるため、ライフから取材を懇請されたキャパは、危険だからと引き留める友人にこう答えたという。「生と死が五分五分なら、俺は又パラシュートで降りて写真を撮るよ」(...

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山菜とヒグマ

2016年4月20日

 ▼このところの本道は晴れたり降ったり、寒くなったり暖かくなったりと、忙しい天気だった。春らしいと言ってしまえばそれまでだが、体調を崩した人も少なくないのではないか。札幌管区気象台によれば、あすからは広く高気圧が張り出し、晴れの日も増えてくるらしい。向こう一カ月は...

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地震被害拡大

2016年4月19日

 ▼火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長はWeb「NHKそなえる防災」の2013年コラムで、「最近の地震の起こり方は9世紀後半の日本にそっくり」と警鐘を鳴らしていた。9世紀後半は、貞観をはじめ各地で大地震が相次ぎ、新潟や伊豆、阿蘇では大噴火が続いた「まさに大地動乱の時代」。歴...

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2016年熊本地震

2016年4月16日

 ▼英国やフランスなど欧州で広く使われていることわざに、「火と水はよい召使いだが悪い主人である」という言葉があるそうだ。火も水も生活になくてはならないが、人間が制御できる範囲を超えて暴れ出せば大変な惨禍をもたらす。このことわざは、普段便利に使っていても、危険を忘れ...

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目隠し政治

2016年4月15日

 ▼マーケティング調査の1手法、ブラインドテストをご存じだろうか。被験者に、飲食料品の商品名を伏せ、または目隠しをした状態で提供し、どちらが好きか選んでもらうものである。客観情報が得られるため現状を分析するのに重宝する。有名なのは「ペプシチャレンジ」だろう。街頭で通...

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狭山池

2016年4月14日

 ▼日本書紀に崇神天皇の詔を記した一文がある。大要こんな内容という。「農は天下の中心で、人々が生きていくにはこれが頼りだ。しかし今、河内の田に水が少ないため農民は仕事ができない。ため池を多く築造し、仕事ができるようにせよ」。こうしてできたのが現存する日本最古のため...

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ムヒカ氏

2016年4月13日

 ▼ホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領がきのうまで日本に滞在していた。ムヒカ氏といえば大統領在任中、給料の9割を寄付していたことでよく知られる。「カネのために政治家になったわけじゃない」(『悪役』汐文社)と語っていたそうだ。氏の人柄を聞いたとき、やはり清貧の士だった「財界...

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サザエさん

2016年4月12日

 ▼子どもから大人まで皆に愛されている漫画といえば、「サザエさん」(長谷川町子著)は間違いなくその一つだろう。それもそのはず、1946年に4コマ漫画で新聞連載が始まり、作者が亡くなった今もテレビアニメは続いている。連載開始のころの作品を見ると、闇市への買い出しや戦災孤児のた...

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パナマ文書

2016年4月9日

 ▼「パナマ文書」なるものが今、各国首脳の信頼を揺さぶっているという。タックスヘイブン(租税回避地)を利用して、資産隠しや不正蓄財をしていた疑いが持たれているのである。中米パナマを拠点とする法律事務所の内部資料が外部に流出し、各国首脳とその関係者の取り引き内容が白日...

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1万円を増刷

2016年4月8日

 ▼明治期の啓蒙(けいもう)思想家福沢諭吉は、借金に対してだけは大層な臆病者だったらしい。『福翁自伝』(岩波文庫)でこう語っている。「およそ世の中に何が怖いと言っても、暗殺は別にして、借金ぐらい怖いものはない」。下級士族の家に生まれ、早くに父親を失ったため、幼いころから...

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小学校入学式

2016年4月7日

 ▼1980年代の漫才ブームを引っ張ったB&Bの島田洋七さんが書いた『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間書店)に、小学校の担任との交流を描いた章がある。運動会の日、貧しいため質素な弁当しかない洋七さんの席に先生が来て言ったそうだ。「先生、なんかさっきから腹が痛くてな」。質素な...

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マイカー50年

2016年4月6日

 ▼1966年は「マイカー元年」と呼ばれているそうだ。トヨタ自動車がカローラ、日産自動車がサニーの発売を始め、一般家庭の自動車保有台数が急激に伸びるきっかけになった年だという。思い出せば子どものころ、わが家に最初に来た自動車もカローラだった。時代はまさに高度経済成長のさ...

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清明

2016年4月5日

 ▼世界的数学者岡潔は北大で教えていたこともあったという。1年余りで依願退職しているのだが、その理由を聞けば道産子としては苦笑いするしかない。「札幌の冬はしのぎがたい」からだったそう。自伝『春の草』(日経ビジネス人文庫)で知った。もっとも在職は1941年10月から。戦中のため...

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入社式

2016年4月2日

 ▼きょうは詩人高村光太郎が泉下に入って、ちょうど60年の日である。光太郎の詩といえば悲しくも美しい「レモン哀歌」がある一方で、行間から激しい感情が表出する「白熊」のような作品もある。彫刻家として出発した彼にとって、詩を書くことは彫刻から無駄なものを取り除くために必...

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年度替わりに

2016年4月1日

 ▼路傍の雪が消え、随分暖かくなってきたと思っていたらもう4月。きょうから2016年度である。新たな挑戦の1年を前に、かぶとの緒を締め直している人もいよう。ことしも年度初めに当たり、道を照らす至言を紹介したい。前に進む一助になれば幸いである。出光佐三「好況・不況があるから...

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