コラム「透視図」

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過酷な介護

2016年6月30日

 ▼江戸時代後期の儒学者で史家の頼山陽は母親思いの人だったらしい。「母を送る路上の短歌」にそれが見える。歌の一節に聞き覚えのある人もいよう。本来は漢詩だが読み下し文で紹介する。「五十の児に 七十の母あり 此の福 人間得ること 応に難かるべし」。京都で夏を過ごした母...

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イエスタデイ

2016年6月29日

 ▼英国の伝説的ロックバンド「ザ・ビートルズ」が初来日してから、きょうでちょうど50年になるそうだ。法被を着て飛行機のタラップを降りてくる映像をご記憶の人もいよう。「ラブ・ミー・ドゥ」「レット・イット・ビー」「イエスタデイ」。ファンでなくともいつの間にか多くの曲を覚...

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仮想発電所

2016年6月28日

 ▼バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)技術に詳しい同僚に先日、最新機器を体験させてもらったのだが、その臨場感に少なからず圧倒された。大きなスキーゴーグルのような装置を着けて目の前の映像を見ると、自分が別の世界のただ中にいるようなのである。高い所に立てば目がくらむ...

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英国EU離脱

2016年6月27日

 ▼イソップ物語には「ウサギとカメ」や「北風と太陽」などいろいろな話がある。誰もが記憶の引き出しに幾つか話をしまっていよう。その中に「カエルと井戸」はあるだろうか。こんな話である。一緒に暮らす2匹のカエルがいた。暑い夏に沼地が乾いたため新天地を求めて旅に出たそうだ。...

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沖縄慰霊の日

2016年6月24日

 ▼47都道府県の中で片や北東の端、片や南西の際と最も距離が離れている地域なのだが、北海道と沖縄には共通点がある。それは何か。聞けばほとんどの人が「確かにそう」とうなずくだろう。答えは地元愛が並外れて強いこと。『週刊ダイヤモンド』がことし3月26日号で、ブランド総合研究...

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無差別殺人

2016年6月23日

 ▼ニュースを見て、「またか」と嘆息した人も少なくなかったろう。「イオンモール釧路昭和」で21日起こった無差別殺人である。阿寒町の33歳の男が突然女性客らを切りつけたという。68歳の女性一人が刺されて死亡し、やはり女性ばかり3人が重軽傷を負ったそうだ。不幸にもその場に居合わ...

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第24回参院選

2016年6月22日

 ▼漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)で長年人気を博している「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(作・秋本治)がこの6月で誕生40年を迎えたという。ご存じ同派出所の両津勘吉巡査、通称「両さん」が破天荒な行動で次々騒動を巻き起こすドタバタ劇である。連載開始当時小学生だった読者...

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夏至

2016年6月21日

 ▼昼の長いこの時期になると、子どものころ暗くなるまで外で遊んでいて、親に叱られたことを思い出す。同じ経験を持つ人も結構多いのでないか。日の長さにだまされ、気付くともう晩ご飯の時間なのである。島崎藤村もこの時期がお気に入りだったようだ。随想「短夜の頃」に記している...

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150年事業

2016年6月18日

 ▼実現不可能だと分かっていても、その話になると妙に熱が入るということがある。道民にとっては「北海道独立」というテーマもその一つだろう。そんな思いもあってか、先日、書店で雑誌『SINRA』(シンラ、天夢人)7月号の表紙に「北海道独立論」と大書してあるのを見て思わず買っ...

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職人イチロー

2016年6月17日

 ▼民衆が日常で使う工芸品の美に気付き、「民藝運動」を起こしてそれを世に広めた思想家の柳宗悦は、品物の作り手である職人に深い敬意を抱いていたようだ。著書『手仕事の日本』でこうたたえている。「その腕前には並ならぬ修業が控えています。どんなに平凡に見えても、誰にでもす...

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雨乞い

2016年6月16日

 ▼夏のこの時期の季語に「雨乞」があるのをご存じだろうか。干ばつを恐れる農民らが神仏に祈願して雨を降らせる儀式だが、今は伝統芸能や物語の中で、ひっそりと生き永らえているくらいだろう。「月明し雨乞踊見に行かん」(正岡子規)。子規が育った四国愛媛も渇水に悩まされてきた地...

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米銃乱射事件

2016年6月15日

 ▼米国のミステリー小説作家ウィリアム・K・クルーガーが人気シリーズの一作で、主人公の元保安官コークにこう語らせていた。「あまりにも多くの人々が、銃は殺すための道具だということがちゃんとわかっていない」(『血の咆哮』講談社文庫)。銃は「つながれたライオンのようなもの...

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明治三陸地震

2016年6月14日

 ▼当時はこんな会話が違和感もなく交わされていたそうだ。ある人が、道端で顔見知りを見つけて、あいさつ代わりに問う。「あなたの家族はどうでした」。10人家族のうち2人か3人が亡くなったとの答えが返ってくると、「それは、よかった。おめでたいことだ」。吉村昭の『三陸海岸大津波...

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現代の奴隷

2016年6月11日

 ▼米国の作家でジャーナリストのアレックス・ヘイリーは、自らの先祖がアフリカから無理やり連れてこられた歴史を小説『ルーツ』として発表している。これを原作にしたテレビドラマが1977年に日本でも放映されているから、そちらを覚えている人もいよう。アフリカで奴隷商人にさらわれ...

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ニホニウム

2016年6月10日

 ▼生まれてきた子どもに名前を付けるのは、うれしいと同時に少なからず責任の重さを感じるものである。「新涼や命名札に光満つ」(三原信子)。秋の句だが、命名の晴れやかな喜びが伝わってくる。この報に触れ、同じように誇らしい気持ちになった人も多いに違いない。理化学研究所が発...

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花の詩画展

2016年6月9日

 ▼詩人で画家の星野富弘さんの「花の詩画展」がことし7月、19年ぶりに札幌市内で開かれる。星野さんの名前を知らないまま、その作品に触れている人も少なくないはず。というのも日本自動車連盟(JAF)に加入していれば毎月届く情報誌「ジャフメイト」に、「風の詩」と題する詩画が連...

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都知事の詭弁

2016年6月8日

 ▼京都を舞台にした奇想天外な小説を数多く書いている森見登美彦の作品には「詭弁論部」なる学生サークルがよく出てくる。「魂の半分が屁理屈でできている阿呆たちの牙城」(『四畳半王国見聞録』新潮社)であるらしい。例えばこんな具合だ。ある部員が自身の間違いを認めず言い張る。...

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衣替え

2016年6月7日

 ▼6月に入って早々、本道上空に真冬並みの寒気が流れ込み、十勝岳温泉など標高の高い所では季節外れの雪に見舞われたそうだ。平地では身を切るような冷たい風が吹き荒れ、雨が降った地域も多かった。この5月は1946年の統計開始以来、最も気温が高かったというのに続く6月はこの天気。い...

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少年無事保護

2016年6月4日

 ▼北斗市の小学2年生が5月28日から七飯町の山林で行方不明になっていた事件は、当の少年が3日朝発見され、無事保護された。本当に良かった。日本中で心配していたようなものだ。皆ほっと胸をなで下ろしたろう。報道によると鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場の小屋にいたとのこと。行方...

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人々の願い

2016年6月3日

 ▼世界で初めて自動車の大量生産に成功し、米国に一大自動車王国を築いたヘンリー・フォードは「汽車のように速く、そして馬のようにどこへでも走れる乗り物が欲しい」と願っていたそうだ。広大な国土事情に加え、時代の要請もあっただろう。結果としてそれが経済産業発展の原動力に...

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増税再延期

2016年6月2日

 ▼視聴者の期待をたがえず、着地をぴたりと決めるテレビドラマの筆頭といえば、『水戸黄門』(TBS)の名が挙がるのではないか。当方になじみ深いのは東野英治郎の黄門様だが、連綿と続いているところを見ると、時代を超えた人気があるのだろう。物語の展開は毎回ほぼ同じ。黄門様一...

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JR北海道

2016年6月1日

 ▼国にはそこならではの文化や習慣があるため、他の国から見ると随分滑稽に思えてしまうことも少なくない。『世界の日本人ジョーク集』(中公新書)で読んだのだが、インドにこんなジョークがあるという。列車の遅れが常態のインドではそれに目くじらを立てる人などいない。ところがあ...

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