コラム「透視図」

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翻訳できない

2016年8月31日

 ▼その国ならではの意味合いを伝えるものだが、他の国にはぴったりの表現がない。そんな言葉が世界には数多くあるようだ。エラ・フランシス・サンダースさんの『翻訳できない世界のことば』(創元社)に教えられた。例えばアラビア語の「サマル」は、「日が暮れたあと遅くまで夜更かし...

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強制失踪の被害

2016年8月30日

 ▼ふとした拍子に、離れて久しい古里のことが切なく脳裏によみがえってくることは、誰にでもあるのでないか。詩人三好達治に「郷愁」という詩がある。始まりはこうだ。「蝶のやうな私の郷愁!……。蝶はいくつか籬を越え、午後の街角に海を見る……。私は壁に海を聴く……。私は本を...

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高齢者の生活

2016年8月27日

 ▼何かと難しい問題のある高齢化社会だが、こんな川柳を聞くと身につまされながら思わずニヤリとする人がいるに違いない。いずれも『平成川柳傑作選』(毎日新聞出版)で読んだ作品である。「片思い昔あの娘で今は孫」(孫孫)。納得であろう。「じいちゃんが一番好きにだまされる」(ゆき...

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高齢者の生活

2016年8月27日

 ▼何かと難しい問題のある高齢化社会だが、こんな川柳を聞くと身につまされながら思わずニヤリとする人がいるに違いない。いずれも『平成川柳傑作選』(毎日新聞出版)で読んだ作品である。「片思い昔あの娘で今は孫」(孫孫)。納得であろう。「じいちゃんが一番好きにだまされる」(ゆき...

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3人の旅は

2016年8月26日

 ▼ことわざに「三人旅の一人乞食」がある。3人で何かをしようとすると、その中の1人がどうしてか貧乏くじを引いたり、仲間外れになったりすることを教えるものだ。こうした例えは日本に限らず世界中にあるようで、ケニアには「二人なら友達、三人はいさかい」、英国にも「二人なら仲...

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つまらない?

2016年8月25日

 ▼昭和のムード歌謡を代表する曲の一つに「別れても好きな人」(佐々木勉作詞作曲)がある。1979(昭和54)年にロス・インディオス&シルヴィアが歌い大ヒットした。スナックでは必ずカラオケを入れるという人も少なくないだろう。「別れた人に会った/別れた渋谷で会った」で始まり、「別れ...

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台風禍

2016年8月24日

 ▼プロ野球やサッカーなど応援しているチームのここ一番、勝負が懸かった試合は見ないようにしている、という人がいるようだ。「自分が見ているとなぜか負けるような気がするから」がその理由である。ただの気のせいなのだが、例えば自分がうっかり試合を見たせいで北海道日本ハムフ...

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最高の夏

2016年8月23日

 ▼後のノーベル物理学賞受賞につながる中間子理論を打ち立てたとき、湯川秀樹博士はまだ28歳だった。その当時はこんな感慨を抱いていたという。「坂路を上ってきた旅人が、峠の茶屋で重荷をおろして、一休みする気持」。『旅人 ある物理学者の回想』(角川ソフィア文庫)に記している。...

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怖いマダニ

2016年8月20日

 ▼随分前から行ってみたいと思いながら、怖くてどうしても足を踏み入れられなかった登山道がある。夕張山系の秀峰芦別岳の旧道がそれなのだが、難易度が高いからという訳ではない。ダニに襲われることが格別多いコースだからなのである。一般向けの明るい新道に比べ長く険しい旧道は...

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五輪と記憶

2016年8月19日

 ▼小説家の山本一力さんは、エッセーに「五輪にまつわる思い出は、それぞれが四年の時空を飛び越えて、私の中に収まっている」(『くじら日和』文春文庫)と書いていた。東京開催の1964年には高校で「東京五輪音頭」の踊りを練習し、ミュンヘンの72年には旅行会社の添乗員としてパリにい...

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台風7号

2016年8月18日

 ▼落語では決まった時期になると、貧乏長屋の住民たちのところに必ず顔を出す招かれざる客が登場する。お分かりとは思うが、借金取りである。とはいえそんな職業があるわけもなく、時に大家だったり仕入れ先だったり、酒屋だったりする訳だが。「掛け取り漫才」という噺では、全く支...

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終戦記念日

2016年8月13日

 ▼次々と訪れる困難に立ち向かう、けなげなヒロインを応援せずにはいられない。そんな気持ちでNHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」を、毎日楽しみに見ている。作り話にそんな感情移入してどうする、と言うなかれ。多少の演出はあるにせよ、今も発行が続く雑誌『暮しの手帖』を創...

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「山の日」に

2016年8月11日

 ▼温泉教授として知られる洞爺湖町出身の松田忠徳氏は、身も心も癒やし「深い精神的な安らぎと心地よさ」をもたらしてくれる日本の温泉の効用を、「温泉力」と呼んでいるそうだ。『黒川温泉 観光経営講座』(光文社新書)に教えられた。日本人なら「温泉力」の存在に疑いを持つ人など...

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スポーツの秋

2016年8月10日

 ▼治安や政情に不安を抱えたまま開幕したリオ五輪だが、競技が始まればそんなことは忘れ日本選手の活躍に胸を熱くする毎日である。スポーツの祭典に松本可奈子さんの詩「なみだ」を思い出す。「わたしがなくとき/心の中でおまつりがあります/たいこがたくさんあって/そのたいこを...

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象徴とお務め

2016年8月9日

 ▼子どものころは全く意味が分からなかった。「象徴天皇」のことである。最初に学んだのはおそらく、日本国憲法でだったろう。第1章が「天皇」である。その第1条にこうあった。「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基...

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縄張り意識

2016年8月6日

 ▼ムツゴロウさんの愛称で知られる動物研究家の畑正憲氏は、著書『自然界の建築家たち』(ミサワホーム総合研究所)で、カモメの縄張り争いに触れている。「ナワバリを守ることによって、オスはいよいよオスらしくなってくる。一家の主人として、それから長く続く闘いに耐えていく自覚...

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食料自給率

2016年8月5日

 ▼農林水産省が今週の初めに、2015年度の食料自給率(カロリーベース)を発表していた。6年連続で39%だったという。数字で「サンキュー」が続いているわけだが、この低さでは感謝する気にもならぬ。1965年度には73%あったことを思うと、何とも頼りない数字である。食生活の変化で自給率の...

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経済波及効果

2016年8月4日

 ▼マイナス金利時代に入り、銀行にお金を預けておいても一向に増えなくなった、とお嘆きの人は多いだろう。一般の預金が目減りすることはないが、金利だけはどんどん下がっていく。身近なところを見ると、北洋銀行と北海道銀行の普通預金金利は現在、共に0.001%である。つまり1000万円...

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時代劇都知事選

2016年8月3日

 ▼天下人豊臣秀吉の甥に当たる関白豊臣秀次は、秀吉に謀反の疑いありとされて切腹を命じられ、京の三条河原でさらし首になった。世にいう秀次事件である。このとき、子どもや妻ら一族も同罪として全て処刑されたという。古代から封建制度の下で行われてきた、犯人の親族に連帯責任を...

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さよならウルフ

2016年8月2日

 ▼戊辰戦争最後の戦場となった箱館戦争で、幕府軍幹部として活躍した元新撰組副長土方歳三。その一生を描いた司馬遼太郎の作品に『燃えよ剣』(新潮文庫)がある。言葉よりも行動で示す人との印象が強いからか、小説ながら土方が自身を評価する「むしろ頽勢になればなるほど、土方歳三...

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