コラム「透視図」

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知床の日

2017年1月31日

 司馬遼太郎が「街道をゆく」シリーズの『オホーツク街道』で、地元の流氷話を紹介していた。こんな内容である ▼中学校の教頭が流氷に乗ったところ、突然岸を離れて沖へ流れ出した。それに気付いた同じ学校の事務職員が勇を奮い、氷の海に飛び込んで救ったというのだ。後で事務職員...

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冬は火事の季節

2017年1月30日

 深い印象を残すその季節特有の情景を、五七五の文字形式で刻む文学が俳句である。必ず季語を入れる決まりは多くの人がご存じだろう ▼ただその一つに「火事」があるのはあまり知られていないのでないか。表すのは冬。火を使う機会が増え、空気が乾燥して風も強いため火事が発生しや...

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やじろべい

2017年1月27日

 近頃はそれほど見掛けなくなったが、子どものころ、その不思議さに目を奪われた経験を持つ人も多いのではないか。日本の伝統玩具「やじろべえ」のことである ▼江戸時代からあるそうで、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に登場する弥次郎兵衛が名の由来という。旅の振り分け荷物から...

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8人で36億人分

2017年1月26日

 文豪トルストイに貧しい農民の話がある。その男は働き者だが土地を持っていないため、いくら頑張っても貧乏なまま。ある日、夢のような噂を聞く。太陽が沈むまでに三角形で囲えた分だけ土地が手に入るというのだ。男は勇んで出掛けた ▼歩いて囲み始めると欲が出て各辺の距離は伸び...

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天皇退位の論点整理

2017年1月25日

 なぞなぞを一つ考えた。単純な足し算である。いささか難解かもしれないがご容赦願いたい。問題は次の通り。「船頭多くして船山へ登る」に「大山鳴動して鼠一匹」を加えると何になるか ▼「ああ、あれかな」と、すぐにピンときた勘のいい人もいよう。あまりもったいぶっても何なので...

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稀勢の里横綱へ

2017年1月24日

 室町期に活躍した能作者にして名役者の世阿弥は、能の理論を体系化した『風姿花伝』で「鬼の能」についてこう記している。「是、殊更大和の物也。一大事也」 ▼大和とは世阿弥が属していた「大和申楽」の流派のこと。能にはいろいろな役があるが、中でも「鬼の能」はお家芸だから、...

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文科省の天下り

2017年1月21日

 寿命は伸びれど給料は伸びず、頼みの年金も縮む一方というのが今のご時世である。朝から浮かない話で申し訳ない。定年延長の制度も定着してきてはいるが、老後を全て賄えるほどのやりがいも金銭的余裕も与えてくれないのが実情だろう ▼いっそのこと、評論家の中野孝次が提唱した「...

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トランプ大統領誕生

2017年1月20日

 朝の天気予報を見ていたら、気象予報士が道内多くの地域でしばらく真冬日が続くと言っていた。それもそのはず、きょうは旧暦二十四節気の大寒である ▼道理で足元からはい上ってくる冷気が骨身にこたえるはずだ。思わず昭和歌謡『小樽のひとよ』(鶴岡雅義と東京ロマンチカ)を口ずさ...

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北海道の転換点

2017年1月19日

 国道12号美唄市光珠内から滝川市国道38号交点までの29・2㌔は、日本一長い直線道路としてよく知られている。着工は1886年だが、当時の工事復命書には「後で手直しが出ないよう、なるべく直線にすること」との趣旨の指示が書かれていたそうだ ▼この区間に限らず本道には直線の道路が多...

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ビール出荷減少止まらず

2017年1月18日

 本道製のビールが初めて売り出されたのは1877(明治10)年のことだったという。ちょうど140年前である ▼現物を味見するわけにもいかないが、記録では最初から相当うまいものができたらしい。冷涼な気候が醸造に適していたようだ。原点はその前年に設立した「開拓使麦酒醸造所」だが、今...

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高齢者は何歳から?

2017年1月17日

 93歳で今なお元気に活躍している作家佐藤愛子さんの近著『人間の煩悩』(幻冬舎新書)に、長寿に触れた一章があった。歯に衣(きぬ)着せぬ物言いが持ち味の愛子さんである。老いについての考えにも湿ったところが少しもない ▼「老人は死と親しむことが必要だと私は思う。老いの時間はそ...

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トランプ次期米国大統領

2017年1月14日

 対戦前のプロレスラーが、テレビカメラの前で相手レスラーに挑戦的な言葉を吐く。プロレスファンならよくご存じの光景ではないか ▼身振り手振りはあくまでも大きく、唾を飛ばし大声で罵倒する内容がほとんど。互いの戦意を高揚させる意味合いもあるのだろうが、大部分は試合を盛り...

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見て見ぬふりは

2017年1月13日

 つい最近、心温まるニュースに触れた。埼玉新聞のWeb版で読んだのだが、同県行田市の女子高生が通学路に散乱していた大量の紙を一人で拾い集めたというのである ▼一度は通り過ぎたものの、「見て見ぬふりをして通り過ぎる自分を受け入れられず」戻ってきたそうだ。わざわざコン...

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今季最強の寒気

2017年1月12日

 たらいを日常生活で使っていたことがおありだろうか。当方は経験がないため、その道具名を聞いてまず思い浮かべるのはザ・ドリフターズ主演の『8時だョ!全員集合』である ▼前半のコント部分で、毎回、頭の上に金だらいが落ちてくるお決まりの小ネタを見ていたせいだ。ドリフメンバ...

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日韓合意はどこへ

2017年1月11日

 できることなら昔に戻ってやり直したい。誰もが一度は空想することではないか。ホラー作家スティーヴン・キングは『11/22/63』(文藝春秋)でそれを描いて見せた ▼過去へつながる穴を知った主人公の男が1963年に起こったケネディ米大統領暗殺を阻止しようとする物語である。男は未来の...

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鍋の季節

2017年1月10日

 こう寒さが厳しいと、恋しくなってくるのが鍋料理だろう。見た目の華やかさもさることながら、ぐつぐつ煮えた頃合いを見計らってふたを開けたときの、香りと湯気といったら。何とも幸せな気分にさせてくれるものではないか ▼肉と魚、野菜や豆腐。好みの食材を適当に切って鍋に入れ...

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寒の入り

2017年1月6日

 朝起き出して素足で板の間を歩くと、足裏を刺す氷のような冷たさに思わず声が漏れる。「うわあ」「冷てー」。時にはつい、「全くふざけてもらっちゃ困る。きょうはしばれすぎじゃないか」なんて、誰にともなくぶつぶつ文句を言ってみたりして。きっと覚えのある人は多いだろう ▼「...

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新たな一年

2017年1月5日

 新しい年が来た、と誰もが何の疑問もなく受け入れているが、この年というもの、長年付き合っていてもどうにもつかみどころがない ▼星新一もそうだったとみえて、エッセイ『きまぐれ星のメモ』(角川文庫)では、まず100年間がどんな長さなのか実感することから始めていた。「地球がで...

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