コラム「透視図」

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ロシア・アフリカに一生懸命なのは自分以外にないと言うが、「ロ

2002年3月12日

 ▼ロシア・アフリカに一生懸命なのは自分以外にないと言うが、「ロシア・アフリカの利権に強い関心を持つのは自分以外ないということではないのか」。たたき上げと言うが、「人をたたいて上がってきた、たたき上げではないのか」と、公明の赤松正雄議員がジャブを放った。最後に社民の辻元清美議員が「疑惑の総合商社」と浴びせると、それに少しその人らしく気色ばんだ。面白かったのはそれくらい。
 ▼十一日、衆院予算委員会で前議運委員長鈴木宗男議員に対する外務省問題の証人喚問が行われた。「根室重視が事業の理念であるはず。地元も配慮を望んでいた。地元要請を伝えたのは事実」。鈴木議員はその点の関与を認めたが、業者選定までの不正は否定した。そして、「問題として問われるようになったことを深く反省する。誤解されることを反省する」。参考人質疑の際と違い、後は「ない」が続いた。「してない」「かかわりない」「聞いたことない」…に伝家の宝刀「記憶にない」。
 ▼にしても、時間などの限界がある上、問う側もぱっとせず、今回も消化不良の証人喚問だった。鈴木議員は、ケニアの水力発電事業を「一九九一年から知っていたはず」。外務省の参事官に「北方四島返還は日本の利益にならないと発言していた」。そうした問題も取り上げ止まり。「こういうことはないか」と聞けば、返る答えは「ない」だろう。事態はもどかしい証人喚問からどう進む。今、鈴木議員には前議運委員長の肩書がつく。前議員という肩書になり、有権者が判断する方がすっきりする気がする。

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「まれに見るバカ」(瀬古浩爾、洋泉社)という本が、今年が始ま

2002年3月9日

 ▼「まれに見るバカ」(瀬古浩爾、洋泉社)という本が、今年が始まると同時に出版されている。一ページに二十回余り、一冊で五千回はバカの二文字が出てくる。ちょっとしたバカからまれに見るバカまでについて書かれる。バカ―人の愚かさ、愚かな人などについて考察した本だ。それにしても、現実は同書出版を記念するかのようだ。今年に入って、人の愚かしい行為がニュースになり続ける。
 ▼警視庁が強制捜査に乗り出した一件、利殖商法のジー・オーグループの一件はその最たるものではないか。張本人の大神名誉会長がすごい。金集めを救世事業と呼び、「世界平和統一」「国際貢献」を語り、自分が主役の映画やビデオをつくり、ポスターを配る、ときた。それらをできる愚かしさはちょっとない。先の書はバカをいろいろ規定している。自分のことしか考えない、恥を知らない、自分を疑わない、欲望を我慢しない…。大神名誉会長はまれに見るレベルに入る。
 ▼人をだませるのだから彼はバカじゃない、と思う人もいるだろう。先の書によれば、そんな人は同類項だ。同程度に愚かしく、政治の周辺に無数いるという。そういえば、最近のニュースの出どころはそこからだ。呼び掛けに、四百七十八億円を提供してしまった側がある。気の毒と思う人もいよう。が、また先の書によれば、愚かしさを世に出させるのも愚かしいのだ。同書が教える一つはこうだ。世に愚かしさがはばからず、増える。このままでは、日本のそれはまれに見るレベルに達してしまう。

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本紙は、二日付で前田建設工業のリテール事業「なおしや又兵衛」

2002年3月8日

 ▼本紙は、二日付で前田建設工業のリテール事業「なおしや又兵衛」について紹介した。同日、朝日新聞には佐藤勝三福島県建設業協会会長の「介護事業わが業界が参入する理由」が載っていた。福島建協は今年一月からホームヘルパー二級資格取得研修を始め、訪問介護事業に向かう。寄稿はそのことについてだ。昨日の本欄は「なおしや又兵衛」に関して書いた。今日は福島建協の介護参入という挑戦に触れておきたい。
 ▼なぜ、この事業か。むろん、背景は建設業の今と先だ。不況が倒産や廃業を迫り、構造改革が待つ。福島では「建設業の雇用は九七年に比べて二五%減」という。福島建協は失業なき労働移動の模索を続け、結論が「今後、仕事が増える介護」だったと、佐藤会長は記す。その介護事業は課題を多く抱え、決してバラ色ではない。容易な分野でもない。参入した建設業者も少なくなく、新規なことではないが、業界で取り組むというその一点だけでも大きな意義があると思う。
 ▼三年で一万人のホームヘルパー養成を目指すという。進出に向け、モデルとなる介護会社も協会員で設立した。事業は「デイサービス、ショートステイに住宅リフォームも視野に」「全国に知られる飯坂温泉がある。地域活性もにらみ、観光客減で空く建物を介護に使う構想も」…と、佐藤会長は参入後の展開も示す。「業界で参入」が前提にあるから、それら実現が困難でなく思えてくる。強い逆風に業界が共同して挑戦―もっといろんなケースを見聞きできるようになればいい。

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同志社の祖新島襄(一八四三―九〇年)がこんな逸話を一つ生む。

2002年3月7日

 ▼同志社の祖新島襄(一八四三―九〇年)がこんな逸話を一つ生む。新島は米国留学から帰ると、向こうの生活様式で暮らすことにした。京都に洋館を建てた。そのときの話である。大工や左官、建具屋らが奮闘して完成させたが、西洋式トイレのふたをつくるのだけはお手上げだった。だれが解決したか。足袋屋だった。木を削って複雑な足型をつくる技術を持つ足袋屋が、日本最初のそれをつくった。
 ▼本紙は、二日付二面で前田建設工業が始めたリーテル事業「なおしや又兵衛」について取り上げた。この「なおしや又兵衛」に、百年以上前のことだが、前段の逸話を思い浮かべた。「なおしや又兵衛」の事業内容は巡回点検と修繕を合わせた建物診断、ヤマト運輸と提携したオフィス改装、個人顧客向けの小規模修繕。大きなゼネコンが小さな修繕の世界にもかかわる。大きなものづくりから小さなサービスにもかかわる。使える技術、力を従来を越える領域でも発揮させる―そこが足袋屋の話とだぶった。
 ▼周囲の見方に反し、業績を伸ばすという。業績増大に意気が上がるが、得るものもこの事業一つにとどまらないのではと思う。価値ある動きは次の動きをもたらす。一つの変化は次の変化を生む。例えば、「なおしや又兵衛」でのニーズ集積は、今後のものづくりに役立つことだろう。巡回点検と修繕が個人に普及すれば、家の維持修繕や住まい方が変わる。足袋屋のその仕事は後にどう影響したかわからないが、「なおしや又兵衛」はいろんな〝なおしや〟になる可能性を見せる。

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雪の消えた道端にフキノトウが三つ並ぶのを見た。山や野は今、ま

2002年3月6日

 ▼雪の消えた道端にフキノトウが三つ並ぶのを見た。山や野は今、まだすっかり雪に覆われている。それでも、フキノトウなどはもう淡黄色の頭をもたげているのではないだろうか。見えないけれど、雪の下で命がもう動き出しているのではないだろうか。本州の山や野は、落ち葉を敷きつめて冬を越す。自然写真家皆越ようせいさんは向こうでもう山や野を歩き回り、写真を撮り続けているはずだ。
 ▼皆越さんは土壌生物に注目し、その生態を記録する写真を撮る。それらの存在に関心を持ってもらう活動も行う。「落ち葉の下はもの静かなところと思われがち。実は小さな生命が息づいているにぎやかな世界なのだ」は、ポプラ社から出した本「おちばのしたをのぞいてみたら…」のメッセージだ。本の主役はダンゴムシ、ミミズ、ダニ、ヤスデ、トビムシ…。彼らにも目を向けて―の思いで撮っているからだろう。彼らがアップで迫るが、何ともかわいい。みんな生きているのだということを教える。
 ▼毎年、落ち葉が降り積もる。そのままにしておくと、山や野はやがて落ち葉で埋もれてしまうはず。でも、彼らのように「落ち葉を食べる生き物がいる。落ち葉は次第に土になる」とも、本の中で皆越さん。生き物は自然や環境を保ちつつ命を営んでいることについても、本は教える。人だけが別でいられないことを考えさせる。今日、「啓蟄」(虫たちが春を迎えて外に出る)。山や野から雪が去ったら、皆越さんのように落ち葉の下をのぞきたい。春の土に寝そべってみたい。

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