e-特集北海道新幹線

《連載》北海道新幹線 開業まで1年(中)ホテル改装、再開発が本格化

2015年3月18日付

 北海道新幹線の開業は、企業の投資意欲を高めている。函館市内や大沼国定公園の周辺では、既存のホテルを大規模改装する動きが相次ぐ。JR函館駅前や五稜郭エリアの再開発も本格化。工事の槌音(つちおと)が開業のカウントダウンのように響いている。

JR函館駅前の再開発現場

大きなクレーンが立ち並ぶJR函館駅前の再開発現場。
商業とマンションから成る高層の複合施設が建つ

 函館市内では2014年末、道内外でホテルを運営するホテルテトラが、JR函館駅前のホテルを改装し、リニューアルオープンした。ゴルフ場などを運営する恵庭開発は、函館国際ホテルの第2期改装に取り組む。

 湯の川温泉では、野口観光が湯元啄木亭の全面改装を施す。トーホウリゾートは運営する2館の改装を決めた。

 大沼周辺ではプリンスホテルが函館大沼プリンスホテルを改装中で、4月18日のオープンを予定している。JR北海道と北洋銀行は大沼湖畔の七飯町流山温泉付近に、馬と触れ合える体験型観光施設を計画。食品小売業の神戸物産による観光果樹園とショッピングモールの整備も動きだす。

 14年11月には、函館山ロープウェイが17年ぶりにゴンドラをリニューアル。現在は山麓駅舎増築と山頂展望台改修を進めている。ハンバーガーチェーンのラッキーピエロは、金森赤レンガ倉庫などが並ぶ主要観光地のベイエリアに、海を臨むことができる市内最大規模の店舗を出す。菓子製造の吉田食品は新たな工場兼店舗を構える。

 これらは全て、新幹線開業に伴う国内外からの観光客の増加を見据えたものだ。函館大沼プリンスホテルの神英明営業1リーダーは「道央道大沼公園ICが開通したときも多くの観光客が訪れたが、新幹線開業はそれ以上のインパクト」と期待を込める。

 同ホテルは、外国人や富裕層による宿泊の増加を見込み、改装で全客室のグレードアップを図る。レストランでは洋食と和食を合わせたメニューを提供するなど、これまでにないサービスを展開。全室で無料の公衆無線LAN「Wi―Fi」を使えるようにする。ホテルに居ながらにして、雄大な大沼の自然を身近に感じられる空間づくりを目指している。

 「新幹線が開業すれば、大宮まで3時間40分程度で行くことができる。時間距離で考えれば札幌とほぼイコールだ」。函館ホテル旅館協同組合の遠藤浩司理事長(函館元町ホテル代表)は、東北の拠点である仙台や盛岡はもちろん、栃木や埼玉といった北関東からも多くの観光客が訪れるようになると見通す。

 函館市内では、6―7割の宿泊施設経営者が新幹線開業を強く意識して観光客増加に対応しようとしている。遠藤理事長は「ホテルの改装はこれからもっと増える」と示唆。サービスの質向上や、繁忙期と閑散期の集客格差解消を今後の課題と位置付ける。

 再開発工事の槌音が響く市内中心部。JR函館駅前地区と五稜郭に近い本町地区では、低層階に商業施設と公共施設、その上を分譲マンションとする高層建築物の整備が本格化した。フージャースコーポレーションと大和ハウス工業がそれぞれ開発事業者として参画する。現場を覆うフェンスには「北海道新幹線開業」の看板が掲げられている。

 湯川町の市民体育館跡地では、市が函館アリーナを建設中だ。メーン、サブの両施設合わせ6000人収容可能で、大規模なコンベンションに対応する。近隣ではフットボールパークの整備も進む。新幹線で全国から多くの人を呼び込むための準備が整いつつある。

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