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NAアーバンデベロップメント社長・SPC函館本町開発社長
布村 隆二氏/ビル完成後が〝勝負〟に

2015年4月17日付

 函館市内の中心市街地再開発で、複合ビル2棟の建設が進んでいる。どちらも低層階が商業・公益、高層階が住居。JR函館駅前はNAアーバンデベロップメント、函館本町地区はSPC函館本町開発が事業主体だ。双方の社長を務める布村隆二氏に再開発への思いや展望を聞いた。

 ―再開発の経緯は。

NAアーバン・SPC函館本町開発の布村社長  函館で生まれ育った人間として、まちのためにという思いが強かった。「函館を変えるなら駅前から。駅前を変えるには和光ビルから」と絞り込んだ。2002年に会社を立ち上げ、翌年に和光ビル1階でコーヒー店の経営を始めた。老朽化するビルのリニューアルに向け、05年にNAアーバンデベロップメントを設立し、構想を描いた。

 旧グルメシティ五稜郭店の跡地問題が浮上していた本町地区では「居住性を高めて若者が集える拠点に」と仲間を集め、13年にSPC(特別目的会社)を発足した。いずれも市の中活計画の該当事業となり、国の支援を受けられるようになったことでスピード感を持って着工することができた。

 ―両ビルの特徴は何か。

 中心市街地活性化の視点で見ると、共通しているのは商業の力と、まちなか居住。そこには雇用や買い物客との交流、定住人口を増やしたいという思いがある。まちなか居住を促進することで、住む人が現れ、利便性を求めて店が生まれるという好循環につなげたい。

 駅前は7対3で観光客がメーンになると予想されるため、飲食店を充実させる。逆に本町は8対2で市民と考えていて、物販関係を増やす計画だ。ビルだけで活性化できるわけではなく、どう周辺と連携していくかが重要。これをきっかけに新たな投資が生まれることに期待したい。

 ―どんな信念で臨んでいるか。

 まちのため。これに尽きる。やっていない人が物を言う時代ではない。強い意志を持って形を見せたい。駅前に限ると、ビルの所有権がない中で個人施行者としてスタートしたため、市も応援しやすかったのではないか。

 権利があると自分の利益のためになる。地方都市での地権者による再開発は、そこが難しいところ。しがらみやリスク負担、地場ゼネコンとの関係などさまざまな弊害が生じる。銭もうけではなく、社会貢献しながら地域の発展を考えた結果、仕事になるようにしなければいけない。その思いからぶれずに前進することが大事だ。

 ―市の現状をどう捉えているか。

 地方創生の流れの中、「新幹線が来る」「知名度がある」「ブランド力がありイメージが良い」など資源が豊富な函館市が、変わることができなかったら、日本中のどこも変わることはできないだろう。市は、本気で50万人都市にするくらいの取り組みをすべきだし、そのポテンシャルを持っていると思う。そうして、ようやく人口減少が止まる。なんとしても地方創生のモデルにしたいし、ならなければいけない。

 観光客がさらに訪れると雇用も生まれ、まちは活気づく。また、若いクリエイターや料理人らが「この地で一花咲かせたい」と思える環境を整え、「移住するなら函館」というムーブメントを起こせたらいい。

 ―今後の展望は。

 ビルは完成後の運営が勝負だ。住む人、働く人、訪れる人が輝けるような仕掛けをする。また、函館ブランドとして発信できる〝何か〟を開発したい。両ビルにはテナントを入れるが、直営で地産地消を意識したお土産を誕生させ、磨き上げたい。

 布村 隆二(ぬのむら・りゅうじ)1964年11月11日生まれ、函館市出身、函館北高卒。2005年からノース技研副社長を務める。02年にSMARTを設立し、店舗経営に参画。ビル開発事業者のNAUD、SPC函館本町開発の社長。

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