e-特集北海道新幹線

仲倉修政投銀東北支店企画調査課長に聞く/新幹線で観光交流期待

2015年12月19日付

 北海道新幹線の開業で青函圏100万人、仙台圏200万人が一体となった経済圏が形成される。中でも道内で旺盛な訪日外国人の動向に東北の経済団体関係者らは注目している。北海道と東北を通じた観光振興には、どんな取り組みが必要なのか、訪日外国人旅行者の意向調査などを展開する、日本政策投資銀行東北支店の仲倉修企画調査課長に聞いた。

 ―道新幹線が開業することで、東北にどのような効果が生まれるのか。

仲倉修政投銀東北支店企画調査課長  東北新幹線の客層を見ると、仙台から盛岡、八戸、青森と行くにつれ、明らかにビジネス客よりも観光客の割合の方が高い。北陸新幹線の長野―金沢間では、延伸開業前からYKKが富山県黒部市に本社機能の一部を移転するなど東京や名古屋、大阪、静岡の企業を中心にそうした動きがあった。

 一方、青森と函館が新幹線で結ぶということで、何か青森、盛岡、仙台辺りで域外の企業が拠点を出すという動きは、あまり目に付かない。そういうことからも、東北としては観光による交流人口の増加に期待が高まっている。

 ―北海道に比べ、青森や仙台で外国人観光客を見ることが少ない。

 観光庁の2014年宿泊旅行統計によると、訪日外国人は国内で4500万泊しており、このうち東北6県では40万泊と全体の約1%にとどまっている。出張で青森県によく行くが、紅葉の時期に八甲田のロープウェーなどの観光地では訪日外国人をちらほら見るが、青森市内ではまったく見ることがない。仙台市内も同様だ。

 青森市内では、免税店や多様なクレジットカードが使用できるなど、外国人観光客が安心で便利に買い物ができる体制が取れていないといった声が、地元関係者からよく聞かれる。道内に来る外国人観光客を呼び込むためにも、こうした課題解決の取り組みが必要になってくる。

 ―新幹線効果を最大限生かすためには。

 当行と日本交通公社が、中国などアジア8地域の訪日外国人旅行者の意識調査をしたところ、1位が東京で、これに札幌、函館が続いており北海道の人気は非常に高い。ただ、これを国別で見ると、唯一、韓国人旅行者は、函館よりも青森県の認知度、訪問意欲がともに高いことが分かった。おそらく青森空港には韓国からの直通便が出ていることからだろう。

 こうした結果を見ると、国ごとで志向や特性は違う。ターゲットを定めた上で観光プランを考えることが求められる。

 ―観光振興のために北海道と東北でどのような連携が必要か。

 仙台空港が、東急グループで組織するSPC(特定目的会社)により民営化する。一部報道によると、アジアを中心とした国際就航に力を入れるとともに、LCC(ローコストキャリア)の比率も5割程度に高めていくという。これは相当なものだ。

 今後、函館空港の利便性が高まれば、仙台から新幹線を使って函館まで行き、飛行機で帰るといった、東北と北海道を組み合わせた新たな観光プランが可能となる。同時に駅からの2次交通も充実させれば、沿線外の広いエリアで観光振興は拡大するはずだ。

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