e-特集北海道新幹線

この1年(函館)/JR江差線跡の活用進む/幹線道や宅地に転換

2015年12月25日付

線路跡は道道に活用される形で残されている

線路跡にルートを切り替える大川3工区

 窮地を好機に新たな地域づくりを―。約80年にわたり渡島と桧山を結んだJR江差線木古内―江差間が、惜しまれつつ廃止されたのは2014年5月のこと。ことしは廃止をばねに新たな地域の顔づくりや、大動脈増強といった動きが沿線で顕著になりつつある。

 鉄路の廃止により、地域のヒトやモノを運ぶ幹線の役割は、同区間に沿って走る道道江差木古内線に集中。同線には交通弱者の足となる鉄道の代替バスが走るほか、北海道新幹線開業後は木古内駅で降りた乗客を上ノ国や江差など日本海に導く広域観光の要となる。

 しかし太平洋側と日本海側を結ぶ同線は、渡島半島の背骨に当たる山間部を通過するため、急カーブやあい路が続く。

 そこで函館建管は災害に強く安全安心な道路環境を確保するため、線形改良を重点化。最大の難所である稲穂峠の新吉堀トンネル本体が完了する16年度には、廃線跡を活用した線形改良に複数箇所で着手する意向だ。

 木古内町側から見て、大川神社の急カーブを大川3工区、同トンネル手前の連続カーブを大川1工区で緩和。トンネルを抜けた上ノ国町側に目を転じると、津軽橋周辺では4橋の新設・架け換えにより緩やかな線形を造り、中の沢工区では橋と踏切のボトルネックを新設1橋で解消。桂岡―宮越工区では線路跡を全面的に道路へと転換し、降雨時の冠水を回避する。

 一方、上ノ国、江差両町は、街の顔だった旧駅周辺の再開発に本腰を入れる。上ノ国は国や道と進める駅前交差点改良に合わせて、旧上ノ国駅周辺の動線を再編。江差は南北に長い線路跡を各地区に合ったゾーニングで転用し、旧江差駅では定住促進に向け団地や宅地への転換を計画する。

 松前藩成立以前から峠越えの旅人を支えてきた重要なルートが再び脚光を浴びる中、線路跡が地域のにぎわい創出に一役買うことになる。

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