e-特集北海道新幹線

《透視図》いさりび鉄道

2016年3月29日付

 ▼渡島・桧山地方のおいしい物を数え上げれば枚挙にいとまがない。中でもイカそうめんときたら飛び切りの味覚だろう。透き通った身にコリコリの食感。ほんのりとした甘味。酒のさかなにぴったりなのはもちろん、ショウガじょうゆをかけ、炊きたてご飯にのせて食べるのも格別である。函館に勤務していたころは産地故のぜいたくを楽しんでいた。近所の店で新鮮なイカが手に入るのだからありがたい。

 ▼道南いさりび鉄道開業の報に触れ、そんなことを思い出していた。この地方でいさり火といえば、イカ釣り漁船の集魚灯である。北海道新幹線開業とともにJR北海道から分離され、並行在来線の江差線木古内―五稜郭間で運行を始めたローカル路線だが、この週末の出足は好調だったそうだ。経営を担う道や沿線自治体なども、ひとまず胸をなで下ろしているのではないか。とはいえ真価を問われるのはこれから。経営分離されたローカル線の多くは、苦戦を強いられていると聞く。

 ▼江差線に乗ったことはないが、車では何度もこの区間を走った。澄んだ海に豊かな表情の海岸線、清流、函館山の遠望が殊に美しい。車窓から風景を眺めながら、散歩気分で旅をするには絶好だろう。生活を支える住民の足ではあるが、観光資源としても十分期待できそうだ。「烏賊火燃ゆ沖煌々と一文字」(山口八重)。6月、イカ漁が解禁になると、いさり火が暗い夜の海を明々と照らし始める。道南いさりび鉄道も数多くあるローカル線の中で、輝く存在になってほしいものだ。

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