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アートランダム 柴橋伴夫/第46回 明恵上人の燃える信仰心

7月9日(火)より国宝「鳥獣戯画」・京都 高山寺展が9月1日(日)まで道立近代美術館で開催されている。副題に〈-明恵上人と文化財の伝承〉とある。よく知られているように「鳥獣戯画」は、日本のアニメの原点ともいわれている。「鳥獣戯画」を鑑賞できるのも楽しみではあるが、私が個人的に特に関心を抱いているのは、中興開祖・明恵上人(1173-1232)という宗教者の存在である。明恵上人は、日本で初めて茶園を開いた人物としても知られていることが大きい。また明恵上人は「夢」の記録を書いたことでも異色人である、40年間にわたり「夢記」(ゆめのき)を残している。ではなぜ夢を記録したのであろうか。文学的な志向があったかに見えるが、それではないようだ。夢は不可視の神仏からのメッセージとしてとらえていたようだ。つまり信仰の書でもあったのだ。

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