去年の秋に公開され話題になった『ゴジラ　－1.0（ゴジラ　マイナスワン）』（東宝）は、太平洋戦争後の焼け野原からようやく立ち直りつつあった東京をゴジラが襲う映画だった▼寄せ集めの材料で家をつくり、仕事を見つけて食料が確保できるくらいには暮らしも落ち着いてきた矢先、ゴジラが上陸して再び街をがれきの山に戻してしまったのである。希望を取り戻しかけていただけに人々の絶望は深かった。