おとなの養生訓

第43回
「食事と入浴」 「風呂」が先「めし」は後

、ホームドラマなどで見かけた風景です。夕方、一家の主がご帰宅。お出迎えの奥様が、「お風呂になさいます?それともお食事?」と尋ねます。主は尊大にも「風呂!めし!」と短く言い放つ…。亭主関白そのもの。現代では、まず間違いなく消え去った風景です。

 ところで、入浴と食事、どちらを先にした方がいいのでしょうか?おとなの養生訓としては、はっきりさせておきたいところです。まず、食事を先に済ませたとします。そのあとすぐに入浴をするのは、消化吸収の妨げになることが指摘されています。

 入浴をすると、体温調節のために、皮膚や手足に血液が多く流れ込んで、消化管への血液の供給が減るためだと説明されています。そこで、食事を済ませてから、ある程度消化吸収が進行した後、つまり2時間程度たってから入浴すべきとされています。

 一方、入浴してすぐに就寝しても、なかなか寝付けないということが起こりがちです。これは、入浴によって体温が一時的に高まって、それにより脳が活性化されて、眠気が差しにくくなるためです。

 ですので、入浴後1、2時間たってから就寝した方がよいとされています。こうして考えると、もし午後6時に帰宅してすぐに食事をとったとすると、どんなに早くても午後11時以降じゃなければ就寝できないことになります。

してや、帰宅時間がもっと遅くなる忙しいビジネスマンにとっては、就寝が深夜になってしまうことになります。そこで、帰宅後、すぐに入浴したとします。入浴後すぐに食事をとったとしても、悪影響はありません。

 食事をした後、すぐに就寝するのは消化吸収の妨げになりますし、食べたものが体に溜まる一方なので、体重が増える一因ともされています。なので、食事をしてから、消化吸収に要する2時間ぐらいをゆっくり過ごして就寝するのが理想的です。

 でも、この順番なら、全体で3―4時間ぐらいになるので、帰宅が遅くても何とかなりそうです。「風呂が先、めしが後」がおとなの養生訓なのですが、食事もお風呂も用意してある状況でなければいけませんので、あくまでも理想にすぎません…

(札医大医学部教授)

新着ニュース

ニュース一覧へ

入札公告速報

入札公告速報一覧へ

連載・特集記事 ~紙面から~

おとなの養生訓 おとなの養生訓
第109回はうろ。貝類の黒い部分で、 正しくは中腸線。肝臓や膵臓の役割を 果たしています。

マイナス金利時代を聞く マイナス金利時代を聞く
マイナス金利政策が道内の企業や建設業に与える影響と、今後の経済動向について聞きました。