マイナス金利時代を聞く
(2)はまなす財団理事長 浜田 康行氏
設備投資の環境整わず

 連載・特集~紙面から~

はまなす財団理事長 浜田 康行氏

 日銀のマイナス金利政策は「マイナス」の部分にではなく、そこまでするかという意思の強さに驚くべき。米国は利上げに転じたが、日本はゼロ近辺の金利政策を当分続けるぞという明確な意思表明と考える必要がある。

 銀行が日銀の当座預金に預ける金額の一部に対する金利のため、銀行の預貯金や貸し付けでマイナス金利となることはない。だが、私は今回の政策を評価しておらず、いつまで続けるのかとの思いはある。

 住宅や建設業界への影響を考えると、これまでのような「借金して建てるなら今がチャンス」という宣伝文句は有効でなくなる。

 これは金利が上がる不安があっての宣伝だ。ごく低金利が続くなら、人手不足や資材高で建設コストが高い今、買う側は「無理に投資する必要はない」と、ゆっくり構えていられる。

 投資への影響はどうか。低金利の貸し出しを誘導し、投資を促すことを考えているが、現状を考えるとそうはならない。

 設備投資は生産を拡大する。つまり生産物が売れる市場が見えていなければ投資は発生しない。金融は既に十分低い金利なのだから、設備に不足感があれば投資は発生しているはずだ。

 さらに言えば資金を借りやすい環境が、より借りやすくなって続くなら、企業側は今、慌てて資金を調達する必要がないことになる。

 インフレ2%の物価達成に向けて導入する政策だが、デフレ対策としての効果は、ほとんどないのではないか。消費者物価は輸入物の一部上昇があるものの、原油安が相殺している。

 ただ、建設や住宅業は人手不足によるコスト高が続くため採算が取りにくい、先読みの難しい状況は続くだろう。建設業の2016年は震災復興からピークアウトし、杭問題の影響や人出不足、コスト高、公共工事の減少懸念があり、業況感はプラスながらも前年より下げそうだ。

 消費税率引き上げが駆け込み要因となるが、金融面を見れば買う側はいくらでも待てる時代だ。だが企業側は待っていてはいけない。誠実な受注で信頼や技術を高め、地道な営業努力でそれを顧客に伝える姿勢が求められる。

(2016年3月11日掲載)

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