おとなの養生訓

第110回
「お茶」 気分転換や脳活性化に

々なビジネスの現場には、「お茶」が登場します。来客へのもてなし、会議の最中、出勤したとき、休憩中、それに、昼食後。出てくるものは、日本茶に限らず、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、ミネラルウォーターなど様々。これら仕事の合間に出てくる飲料を総称して「お茶」ということが多いようです。

 来客のおもてなしでお茶を出すのは、のどの乾きを潤して、一息ついてもらうためといわれます。落ち着いた気分になれば、用談もスムーズに進むというものです。一方、会議でのお茶は、水分補給に加えて、とかく気詰まりな会議に雰囲気から、気分を転換するという効果があります。お茶はビジネスの句読点、という訳です。

は、お茶にはどのような身体的効果が期待できるのでしょうか。まず、当たり前とはいえ水分補給です。仕事を続けると、ついついのどの乾きを忘れ、水分補給が後回しになりがちです。とくに現代人は昔に比べて、こまめに水分を補給する習慣が薄れていて、水分不足になりがちであると指摘されています。お茶があれば、仕事中にいつでも水分補給がこまめにできることになりますので、これは、体にいいことと言えます。

 さらに、お茶の定番である、日本茶、紅茶、コーヒーにはカフェインがたくさん含まれていますが、これは言うまでもなく、脳のはたらきを活性化させる作用を持ちます。時折お茶を飲めば、仕事の連続で少し疲れた脳を活性化し、クリアな状態で再び仕事に取り掛かれるようになるわけです。

 来客のおもてなしや会議中のお茶も、脳を活性化させる効果により、話を進展させ良い方向に導くことが期待できます。と、考えると、お茶は、ミネラルウォーターよりも、日本茶、紅茶、コーヒーの方が、お茶としての役割を十分に果たせそうです。

 昔は、事務所でのお茶出しというのは、女性事務員の仕事と位置付けられて、きわめて軽い仕事のように扱われていました。もちろん、「女性」に限定していたから差別的でもあったわけです。それで、お茶出しという仕事は、急速になくなって、各自、自己責任というところも多いようです。でも、お茶出しという仕事自体は、とても重要な責務を負っているのだと、つくづく思った次第です。社長さん、社員にお茶出ししてみません?

(札医大医学部教授)

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