おとなの養生訓

第10回
「宴会の養生訓」 事前にチョコなど食べて

年もあと1カ月とチョット。忘年会シーズンもスタートです。12月は毎日忘年会があるという人もいるとか。おまけにクリスマスだ、お正月だとお酒を口にする機会はとても多くなります。そういった中では、いくらお酒が好きな人でも、体が参ってしまいます。宴会ラッシュを乗り切る対処法など考えてみようと思います。

 まず、夕食を兼ねた宴会が大多数だとは思いますが、空腹で臨むのは避けた方が良いでしょう。空っぽの胃に乾杯のお酒が入ると、アルコールの吸収が早くなり酔いやすくなります。さらに、アルコールが胃の粘液を洗い流して粘膜を痛めてしまい、胃痛や吐き気などに起こしやすくなるためです。

 漢方薬やドリンク剤をのむ前に取ることがすすめられていますが、薬が胃の粘膜に直接触れることがかえって事態を悪化させることもあるので、一概にはおすすめできません。事前にチョコレートかチーズを少し食べてから出かけることをおすすめします。

 宴会の最中は、お酌されないことを心がけましょう。お酌されると、一口つけなければなりませんが、こうしていると自分がどのくらいのお酒を飲んだのか分からなくなって、たくさんのお酒を飲む羽目になってしまうからです。

 まあ、だいたい、飲みさしのコップにつがれたビールぐらいおいしくないものもありません。自分のコップは常に満たしておいて、お酌されないように。そしてお酌の呼び水になるので、なるべくついで回らないことです。

会中にお酒を変える人も多いですが、全体で2種類ぐらいにとどめるのがベストです。3種類以上のチャンポンは、やはり酒量が分からなくなって飲み過ぎになっていまいます。

 お食事は一定のペースで食べた方が安全です。とくに酔いが回った後に、気持ちがほぐれて、無意識にたくさん食べ始める人をよく見かけますが、アルコールのせいで、すでに胃腸の動きは鈍くなっていますので、たくさんの食べ物は消化できません。最悪、「リバース!」ってことになってしまいます。このケースは女性でよく見られます。

 宴会が終わったら、水分補給をお忘れなく。もちろん、コーヒーでなく、真水です。アルコールで水分不足になったまま翌朝を迎えると、ひどい二日酔いに悩まされることになりますから。

(札医大医学部教授)

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