おとなの養生訓

第24回
「シャワーとお酒」 体温下げ睡眠の妨げに

米から伝わったシャワーは、もうすっかり日本の家庭に定着しました。お風呂ほど時間がかからないお手軽感から、お風呂は入らずにシャワーだけで済ましたり、1日に何度もシャワーを浴びたりする人もいるとか。でも、シャワーとお風呂が体に及ぼす影響は全く異なります。

 一口で言うと、お風呂はリラックス感、ゆったり感であるのに対し、シャワーは爽快感、サッパリ感であると言えます。シャワーを浴びると交感神経の活動が活発になると言われています。

 シャワーは皮膚に強い水流が断続的にあたり続けます。これが刺激となり脳を覚醒させるのです。とくに熱めのシャワーにこの効果が強いと言うことです。これと、汗を流し、皮膚を清潔にすることが相まって、爽快感を感じると理解できます。

 と言うわけで、シャワーを浴びると、眠気がなくなり、気持ちが前向きになると言う効果が期待できるので、朝、出かける前にシャワーを浴びることは1日のスタートとして有効と言えます。

は、夜はどうでしょうか。お酒を飲んで帰宅して、シャワーを浴びてからベッドに入る人がたくさんおられます。「酔い覚ましにシャワー」と言っている人もいます。しかし、これは睡眠の量と質という意味であまりおすすめできません。

 まず、シャワーの覚醒効果のために、一時的にせよ眠気は消えてしまい、なかなか寝付けないということになりがちです。一方、シャワーの効果で気分がサッパリし、酔いが醒めたような気になりますが、実際は錯覚に過ぎず、血液中のアルコール濃度は下がってはいません。なので、実は酔ったまま眠るので、睡眠が浅くなります。

 また、シャワーは体の表面を温める効果しかないので、浴びた後はむしろ体温が下がり気味になります。実はお酒も結果的に体温を下げる効果があるので、睡眠中に体が冷えて目が覚めると言うことも起こり得ます。結局、十分な睡眠がとれないうちに翌朝を迎えることになりますので、前日の疲れを持ち越すことになります。

 お酒を飲んでいなかったとしても、夜遅くにシャワーを浴びること自体、睡眠にはいい影響を与えないようです。普段から、寝付けない、途中で目が覚めるなど、睡眠に悩みをお持ちの方は、シャワーはやめて、ぬるめのお風呂にしていただきたいと思います。

(札医大医学部教授)

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