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国交省 堤大臣官房審議官、持続可能な建設業実現の施策紹介/北保証講演会

北海道建設業信用保証は11月12日、第81回建設業講演会を札幌市内の北海道経済センターで開いた。国土交通省の堤洋介大臣官房審議官(不動産・建設経済局担当)が登壇。149人の参加者に持続可能な建設業実現のために進める国交省の取り組みを紹介した。

公共事業量の確保に向け、国土強靱化のための5カ年加速化対策に続く施策として国土強靱化実施中期計画を挙げた。「計画策定は前倒しする。中身を含めて急ぎ検討している」と述べた。

担い手確保については、他産業に比べて人材獲得競争力が弱まっているが、「新3Kという官民共通のキャッチフレーズがあり、連携してさまざまなことができる」と業界を励ました。

時間外労働の上限規制について「積雪寒冷地の北海道に当てはめるのは難しいとの声も聞く。実態に合わなければ厚生労働省に問題提起したい」と理解を示した。

若年層の入職促進に向けて「週休2日が進んでいない。子育て世代の中にはもっと働きたいという人もいるが、公式見解としては若い人を確保するために週休2日の拡充が必要」と説き、週休2日を業界の共通認識にすべきだとした。

技能者の処遇改善に関しては、建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用拡大に向けた3カ年計画の要点を説明。レベルに応じた手当・賃金等の支払いは「スーパーゼネコンで進み、大和ハウス工業は来年4月から予定するなど拡大している。各社も検討を」と求めた。施工体制台帳の提出義務免除や技能者アプリの導入、CCUSと建退共の連携完結にも触れた。

適正な請負代金確保へサプライチェーン全体で価格転嫁を進めるとした。「最新価格を物価本に即時反映し、その物価本を契約時に使用するよう公共発注者に要請する。着工後はスライド条項で対応する。自治体には運用基準の作成を国から働き掛けたい」との考えを示した。

第3次担い手3法の全体像を解説し、「これまでの商慣習が大きく変わる」と示唆。下請け業者に見積書の作成徹底を求めるほか、標準労務費の実効性確保へ建設Gメンの活動を強化するとした。「業界の意見を聞きながら官民一体で取り組みたい」と結んだ。


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