札幌市が資料館の保存活用計画案-改修に22-27億円想定

2017年08月29日 07時14分

 札幌市は、札幌市資料館の保存活用基本計画案をまとめた。歴史的建築物の維持保全、研究・創造と交流・発進の場としての活用を基本方針に掲げ、施設・事業・運営の各計画で構成。札幌国際芸術際2020終了後に着工し、23年度のリニューアルオープンを目指す。概算事業費は保全改修なども含め、免震工法なら約26億8000万円、耐震工法なら約21億8000万円と見込んでいる。

 28日の市議会財政市民委員会で公表したもの。29日からパブリックコメントで意見を募る。

 事業計画では、メディアアートの研究・創造や国内外の人的交流促進・情報発信交換、他の文化芸術施設や立地環境を生かしたさっぽろ雪まつりなど観光イベントとの連携を挙げる。

 運営計画では、現在の指定管理者制度は維持管理を担うのみだが、リノベーション後は事業の企画実施も可能とする方針。アーティストやエンジニアを招致できる事業展開を想定し、サポートとして有識者などによるオブザーバーの設置を検討する。

 また、現在市民が利用している2階のスペースは週単位の貸し出しだが、半日単位での利用やミーティング・製作などにも活用できるよう見直す。

 施設計画では、市指定文化財の登録を目指し、旧札幌控訴院の由来を明確化した文化財名称の検討などを予定。整備に関しては免震か耐震での耐震改修、前庭や車寄せ、外周柵を対象とした保全補修、エレベーターや多目的トイレの確保などバリアフリー化にも取り組む。

 機能配置では文化財としての価値を維持するため、ボイラ設備、エレベーター、多目的トイレなどは別棟を増築して整備し、本体に接続する。1階には現在と同じ旧札幌控訴院の展示のほか、カフェ機能を持つ交流・発進スペースを置く考え。2階は、市民利用のミニギャラリーが多くを占めているが、運営見直しにより「研究・創造」、「交流・発進」といった機能も広げる。

 17年度後半には施設整備計画をまとめ、耐震補強の工法などを決定。18年度に基本設計、19年度に実施設計を予定する。

 概算事業費には、耐震改修が免震工法なら約16億円、耐震工法なら約11億円、保全改修が約7・2億円、バリアフリー化と外構整備が各1億8000万円と試算している。


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