ウォレットジャパン(本社・札幌)は、清潔と快適にこだわった移動式トイレユニット「ウォレットTC」を開発し、ことしから販売している。洋式の水洗トイレをコンテナ型にユニット化した仕様で、設置場所を選ばず、障害者や子育て世帯向けの多目的スペースも備える。トイレの美観を気にする女性や子どもを中心に、イベント会場や公共施設で広く使ってもらいたい考えだ。
耐久性や耐水性、耐候性に優れた移動式の水洗トイレユニット。輸送コンテナのISO規格に準拠したサイズのため、トラックや貨物船で簡単に運べる。陶器製の便器や手洗い台を設けるなど衛生面にこだわった。
給水は直結、貯水タンクどちらにも切り替えられる。インフラ環境の整った地域では下水道と直結でき、山間部など整備されていない地域では汚水タンクで対応。外気をタンク内に送り、ユニットの裏から逃がす構造なので、臭いが汚水タンクからこみ上げることもない。
車いす利用者向けに多目的スペースを設けていることも特徴。おむつ替えの台もあり、乳幼児と一緒でも安心して使える。
床はアルミニウム製のしま板なので、水で丸洗いできるなど衛生面を維持できる。発泡ウレタンを70㍉吹いているので断熱性にも優れ、パネルヒーターを1台設置すれば冬でも快適な温空間を十分確保できる。
基本は幅6058×奥行き2438×高さ2896㍉の20フィートサイズ。小便器と大便器を各4基ずつ設けた男性用と、大便器3基と多目的スペース2カ所、手洗い台5基の女性用を用意。男子用と女子用、多目的スペースを複合した仕様もラインアップする。
幅2倍の40フィートサイズ仕様も製作可能。コンテナのように積み重ねてストックでき、手狭なヤードでも場所を取らずに在庫できる。基本は4ユニットまで積むことが可能だ。
ことし1月の発売以降、小樽や札幌市内のイベントなどで使われるようになった。都内の東京臨海広域防災公園で10日に開かれる「ぼうさいモーターショー」でも出展を予定している。
遠藤吉勝社長は「女性や子どもが気軽に入れる仮設トイレをどんどん広げ、世の中がもっともっと清潔になれば」と話している。