将来担う職業人を育成 岩農のSSH教育

2017年09月07日 06時00分
岩農SSHの取り組み

SSHの重要な取り組みである英語の発表では専門的な単語も使用する

 2013年に、道内でスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の認定第1号を受けた岩見沢農高。SSHは、将来の国際的な科学技術系人材を育てるために、先進的な理数系教育を実施する文部科学省の指定事業で、道内における職業高校の指定は同高が初めて。17年度は認定期間が終わる最終年度だが、認定を受けたことで生徒に探究心が芽生え、将来の目標も明確になるなど、さまざまな変化が表れている。

 同高では「我が国の農業科学技術系人材を育成する新しい農業科学プログラムの実践」を事業目標に掲げており、「農業・科学分野のスペシャリスト」「農業系・理工学系大学への進学」を、目指すべき生徒の将来像としている。

 SSHの生徒は各学年の7科から40人ほどが選抜されており、生徒は通常の授業に加え、平日の「7時間目」や土曜日を利用して、よりレベルの高い数学や理科、国語、英語のほか、大学などへの研修や海外研修にも取り組み、課題解決力や科学技術力、論理的思考力、国際貢献といった意識を高めている。

 16年度の各大学との取り組みは、農業土木工学科で室蘭工大や北海道科学大と連携し、融雪や土壌熱システムの基礎研究を行ったほか、森林科学科では北大や道立総合研究機構林業試験場とともに、未整備のトドマツ人工林に対する新たな更新方法の確立を目指した研究を実施するなど、農業科学や科学技術の視点を重視した学習内容を展開した。

 同高では、SSHの取り組みを始めてから卒業生も輩出しているが、専門的な英語を学んだことがきっかけで、通訳の道を目指したり、農家や土木技師になるために、大学への進学を決めるなど、選択する進路の幅が広がっている。

 教員の評価でも、生徒の探究心が「大変増した」「増した」という声が多く、英語での表現力も高まったとする回答が多かった。

 事業が始まって4年が経過するが、生徒の探究心を向上させるための授業手法やカリキュラムの組み方、教える教師自身の知識、成果を評価する方法などが現在のテーマだという。「指定を受けてからまだ卒業生を2回しか出していないが、うちは職業高校だから、できないことはないと思っている」と話しており、将来を担う職業人の育成に手応えをつかんでいる。

 同高は、空知管内では唯一土木を学べる高校で、建設業界からの期待も高い。認定最終年度の本年度も〝農業科学技術系スペシャリスト〟の養成を目指した取り組みを進める考えだ。


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