総合解体業のホリイ(本社・札幌)は、8月中旬からJR北見駅前にある旧商業ビル解体にコベルコ建機の超大型ビル解体専用機・SK1600Dを導入した。高さ40mを超えるハイリフトに高強度のアタッチメントを組み合わせることで地上から直接、構造物を解体。作業効率が格段に向上するとともに、現場周辺の環境にも配慮しながら、安全第一で作業を進めている。
解体しているのは、北見市大通西3丁目11にある旧カンテックビル。築25年が経過したSRC造、10階、延べ3832m²の商業ビルで、隣接地域では北見市の新庁舎建設など駅前再開発事業が計画されている。
SK1600Dは、メインブームとアームの長さや破砕機の大きさを変更でき、中高層ビルの解体から基礎解体、一般掘削をこなす。札幌の同社技術者ら約10人が7月上旬から現場に入り、養生足場から高層階の防音シート、低層階の防音パネルの設置など、ビル本体の解体に向けて準備を進めてきた。
3つ折れブームになって稼働する高さ42mのハイリフトは5―10階の上層部で使用。開口幅1430㎜、重量4810㎏、1・6m³級のSRC圧砕機を装着し、操縦席の作業員は高さ36m付近に装着した小型カメラで確認しながら、ビル中央部から外壁や梁、床面を細かく破砕。各種廃物を分別収集して下層階の解体につなげている。
現場を指揮する小笠原敏行工事部長は「人力での合番作業が少ないため、安全性が高い。一般の通行者など周辺地域にも配慮しながら、それぞれが連携して作業を進めている」と話す。
堀井太一社長は「道内でこれだけ高いビルを直接解体するのは初めて。非常に馬力のある解体専用機で、これからもさまざまな場面での活躍が期待される」と意欲を示している。