阿寒摩周国立公園の区域内にあるオンネトー・雌阿寒岳地区を足寄町のまちづくりに生かすことを目的に6日、道の駅あしょろ銀河ホール21でオンネトーフォーラムが開かれた。町民約70人が参加。同地区の魅力を検証し、今後の利活用について議論を深めた。
足寄町民が主体となって設立された「オンネトーの魅力創造委員会」が主催した。同委員会は、環境省が選定した阿寒摩周国立公園満喫プロジェクトで5カ所のビューポイントの1つにオンネトー・雌阿寒岳地区があることから、同地区の魅力を見直し町内のまちづくりに生かそうと活動している。ことし5月から月1回の会合を重ねており、2018年3月までに全体構想をまとめ、満喫プロジェクトの取り組みと連携させる予定だ。
講演では、環境省の河野通治阿寒摩周国立公園管理事務所長が満喫プロジェクトの概要を説明。20年の訪日外国人利用者数15万人達成を目標に設定し、自然環境の保護を大前提にしながら上質でここにしかできない利用を促進する方針を示した。オンネトー・雌阿寒岳地区では、質の高い利用環境を提供するため、再整備を検討する。
日本交通公社の寺崎竜雄理事・観光地域研究部長は、鹿児島県の屋久島など国内で展開している自然環境を生かした観光事業を紹介した。自然景観を楽しむ観光から1990年半ばからガイドツアーのような自然の中で楽しむ観光にトレンドが移っている点を指摘。オプショナルツアーなどの着地型商品の必要性を説き、そこに暮らす人だからこそできるツアーを組み立てるよう呼び掛けた。