観光面を含めたハード対策を
空知川と石狩川が合流する滝川市。舟運の時代から道路や鉄道の時代に変わったが、古くから交通の拠点という役割を果たしてきた。今も川の恵みを生かしながら数々の施策を打ち出し、人口減少という課題に立ち向かっている。
―滝川の特徴は。
治水の歴史があること。空知川と石狩川の合流点ということもあり、古くから川と密接で、治水から始まった建設業者も多い。川の恵みを農業や畑作に活用しているだけではなく、市内で楽しめるグライダーも河川敷を活用したもの。全てインフラを整えていく過程の中で生まれた。
―まちの課題は何か。
公共施設の維持管理だ。1965年から75年ごろに公共投資を積極的に推進したが、そのころの施設の補修や解体が大きな課題。ただ、公住の建て替え、空き家対策といった取り組みは計画的に進めている。ほかにも、若者の住む場所を確保するため、住み替え支援をしており、公園の規模見直しにも着手する。4月にはコンパクト化を図ろうと、機構改革で市街地開発調整課を設置した。「箱物のまち」とも呼ばれていたときもあったため、箱物の見直しをしていきたい。
―地域活性化に向けた対策は。
観光面も含めたハード対策が必要だ。防水という観点から石狩川滝川地区水害タイムラインを策定したが、築堤や機材の在り方を広域的に協議していかないとならない。その一環で、例えば河川敷の一部を舗装して自転車を通れるようにし、サイクリングができるようにすればインバウンド向けの新しい魅力が生まれる。公共インフラをどう残し、活用していくかが重要になってくる。
―今後のまちづくりの展望は。
人口の増減を見ると、社会減が減少してきている。公住整備、空き家対策、リフォーム助成、子育て施策など、各分野の施策が実を結んでいるのでは。また、CCRC構想も策定した。高齢になっても安心できるまちをつくるだけではなく、人手不足が企業の課題になっているため、高齢者にも活躍してもらいたいと考えている。このまちに暮らすことで高い満足度が得られるよう地方創生を進めたい。
前田 康吉(まえだ・こうきち)滝川市出身、1954年8月30日生まれ。初当選は2011年で現在2期目。2017年5月31日付掲載