「食街道」づくりへ施策を展開
食の拠点としてのまちづくりが進む三笠市。「食街道」づくりに向けた施策が次々に展開されている。
―まちの特徴は。
雪が多く、水資源が豊富であるということ。最近は国道12号沿いの岡山地区が活性化しており、4月には道の駅三笠にある食の蔵がリニューアルオープンし、民間ホテルも今月開業する。住宅団地もここ数年で完売し、道営住宅も建設されることになっている。
―市の中で進んでいる施策は何か。
主なものだと、まずは食物調理科を持つ三笠高だ。三笠高は全国ブランドにもなりつつあり、調理実習研修施設(高校生レストラン)も間もなく着工する。2つ目は2013年に認定されたジオパークの取り組み。認定を受け、順調に観光客の入り込みを伸ばしているが、北海道ではこうした〝学べる観光〟というのが適しているのでは。
3つ目は、作物栽培。三笠ではイオンアグリ創造が30haの農地を使ってメロンを栽培し、香港に輸出している。室蘭工大と連携した石炭地下ガス化実験も重要で、夏には実験を行う。
―まちの課題は。
三笠は炭鉱で100年の歴史を持ち、住民が炭鉱に依存するようになってしまった。人口流出対策という面でも、新たな産業を創出することが課題だと思っている。高齢化も進んでいて、まちの特徴である雪をどう克服するかも求められる。
―対応策はあるか。
高齢者対策としては、市立病院というインフラをしっかり守る役割がある。また、若い世代に向けては家賃補助、小中学校の給食費無料などの施策を展開しているが、面白いところでは子ども向けに日本ハムファイターズやコンサドーレというプロスポーツチームによる指導を行っている。
―今後のまちづくりは。
高校生レストランができるため、市で「食の基本条例」を定め、食を応援する制度を作りたいと考えている。条例には市民の果たす役割や食との関わりについても盛り込みたい。三笠は上川管内の富良野とも隣り合っているが、〝食街道〟という三笠と富良野をつなげる流れを作り、食そのものを観光として捉え、そこに光を当てていきたいと思っている。
西城 賢策(さいじょう・けんさく)1951年3月11日生まれ。三笠市出身。初当選は2015年で現在1期目。2017年6月7日付掲載