子どもに特化した施策発信を
近年、若い女性を中心に、ファームレストランなどで注目を集めている由仁町。しかし、そうした華やかなイメージとは裏腹に、抱えている課題の打破に向け、静かに取り組みが始まろうとしている。
―まちの特徴は。
農業のまちで、耕作放棄地がないということが特徴。由仁は人口約5000人のうち、約1000人が農業従事者だが、農業の機械化とともに農家人口が減少している。札幌や苫小牧が近く、千歳は隣接する自治体でありながら、その地の利の良さを生かし切れていないのが現状だ。
―まちが抱える課題は。
やはり人口減少だが、人口が減り、町民の質が変わっていくという変化にどう対応していくか、そちらの方が課題だと思っている。今の由仁の人口は、明治30―40年に開拓が始まったときの人口ぐらいだが、昔と違うのは今は人口の平均年齢が53・3歳になっているということ。年齢が高い人口で構成しているという点が昔と違う。
―解決策は何か。
公共施設の見直しだと思う。今あるものを廃止して、効率的で地域が必要なものを造ったり、代替施設にしたりする必要がある。学校施設関連では、ことしの春で小学校の統合が終わり、小・中学校とも各1校ずつになった。
―今後のまちづくりの展望を。
人口減少社会を迎える中、量ではなく質の変化に対応したまちづくりを進めたい。今はスタートの段階で、まさにスクラップするところ。町民の期待は人口増加に向けた対策かもしれないが、他の自治体と同じことをやっていても増加には結び付かないのではないか。
まだ由仁では〝これが独自〟というものはないが、今後の構想はある。それは子どもの健康と学力に特化した取り組みだ。健康に関しては現在、中学生に対するピロリ菌検査や子ども健診をやっている。また、学力については、将来的に小中学生に漢字検定や英語検定のTOEIC、TOEFLの受験をさせたい。こうした取り組みを進めることで、由仁は子どもの施策に力を入れているまちだと発信できると考えている。
松村 諭(まつむら・さとし)岩見沢市出身、1956年6月27日生まれ。初当選は2015年で、現在1期目。2017年6月9日付掲載