空知を語る 24首長

空知を語る 24首長(7)赤平市 菊島 好孝市長

2017年09月13日 16時12分

赤平市 菊島 好孝市長炭鉱という「宝」生かし連携を

 炭鉱の町からものづくりの町に―。炭鉱閉山の動きに合わせ企業誘致をしたことで、今では道内有数の企業が拠点を置く赤平市。人口減少に歯止めをかけ雇用を守るため、町に残る炭鉱遺産をまちづくりにも活用している。

 ―赤平の特徴は。

 半世紀が炭鉱、残りの半世紀がものづくりの町という歴史が特徴だ。1994年に住友赤平炭鉱が閉山したが、その後少しずつ行った企業誘致によって現在の町が成り立っている。初めは誘致した企業だったが、年月を経て地域に根付いたため、今は地場産業だと思っている。この企業を守ることが、地域や雇用を守ることにつながり、人口減少に歯止めをかけることにもつながる。

 ―まちの課題は何か。

 労働者不足が課題であり、特に若い世代が地元にいない。昼間は近郊から働きにくるが、仕事が終われば帰ってしまう、という点も問題。ほかにも、古くなり人が住めなくなった炭鉱住宅の解体という課題を抱えている。壊すにも建てるにもお金はかかるが、ある程度の公共事業をしないと町は活性化しないと考える。いくつか壊したら何戸か建てるという流れで取り組まなければならない。

 ―地域活性化に向けた対策は。

 炭鉱遺産活用として、ガイダンス施設を建てることを考えている。炭鉱は日本経済発展の源で、そういう町があったことを子どもたちに引き継いでいかなければならない。先人が築いた歴史や犠牲になった方、炭鉱で働き今もなお赤平で暮らしている人など、立て坑やぐらを残すことで一番分かりやすく説明できる。まずはガイダンス施設の整備、炭鉱遺産の緊急的な補修を進め、その後は市民の意見を聞きながら事業に取り組みたい。

 

 炭鉱遺産活用を教育旅行など交流人口増加に向けた観光に結び付けるだけではなく、海外の人にも見てもらいたい。赤平は札幌や旭川、富良野にも1時間程度で行くことができるし、これらがJR根室線の存続のきっかけにもなれば良いとも思っている。夕張や美唄などと炭鉱という昔の宝を生かして広域的な連携を図り、赤平に住んで良かった、これからも住み続けたいという環境をつくりたい。

 菊島 好孝(きくしま・よしたか)赤平市出身、1949年5月28日生まれ。初当選は2015年で現在1期目。2017年6月14日付掲載


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