医療の充実で魅力あるまちに
札幌と旭川という大都市に挟まれた場所に位置する美唄市。急激な人口減少が産業に与える影響は大きいが、積極的な情報発信と医療の充実で魅力あるまちづくりを進めようとしている。
―まちの特徴は。
基幹産業である農業の強みを生かした農商工連携や地産地消を進めている。地元のものを使う取り組みが増えてきていて、それをブランド化することで地域の活性化に結び付けようとしているところ。観光面では、何と言っても宮島沼だ。ことしは8万4000羽のマガンが飛来し、バードウォッチングの客が増えているので、利活用について環境省と連携しながら進めていきたい。
―まちの課題は何か。
急速に進む人口減少だ。昭和30年代前半に約9万人だった人口は現在約2万3000人。子どもの数が減り、就労人材の確保は困難を極めている。また、さまざまなところで担い手不足が起き、商店街の店舗が閉店したり、農村地域では農地活用の問題なども出てきた。
―課題への解決策は。
移住・定住促進策として、都心からの移住者に対する助成や、美唄から札幌に通勤する人への通勤手当の助成を展開している。
交流人口拡大に向けた観光客の増加も目指しているが、インバウンドについては北海道全体で取り組む必要がある。美唄では4、5年前からサイクルツーリズムが盛んだ。食や景観、人に触れ、温泉や観光名所を回って、美唄のことを知ってもらえたらいい。そのためには情報の発信が何より重要で、魅力あるまちづくりを進め、田舎の魅力をブラッシュアップしていきたい。
医療の充実やコンパクトシティの実現も重要だ。市では、駅や市役所を中心としたまちづくりを構想しており、市民検討会を立ち上げ、秋口ぐらいには計画をまとめたいと思っている。
―今後のまちづくりの展望を。
取り組んでいる一つ一つの積み重ねが地域産業を支える根幹になっていて、ふるさと納税にも支えられている。そして何より安心して暮らし続けられることが大事で、それには医療の充実が欠かせない。2020年度には新しい市立病院を開業し、少子高齢化に対応できるよう、医療・福祉を連携させていきたい。
高橋 幹夫(たかはし・みきお)1963年6月28日生まれ、美唄市出身。初当選は2011年で、現在2期目。2017年6月21日付掲載