効率的な広域連携で課題解決
基幹産業が農業で、古くから米作りに取り組み、近年はリンゴや花、肉用牛の生産も伸びている深川市。自然の恵みを生かしながら人口減少という課題を克服すべく各施策に取り組んでいる。
―深川の特徴は。
一番は農業のまちということ。明治時代にコメの作付けが始まり、リンゴやサクランボなどの果樹、スターチスやダリアといった花、肉用牛のほか、そばも高い作付面積を誇っている。さらに、高速道路や国道12号が通り、JRは函館本線や留萌線に加え昔は深名線も走っていたため、交通の要所ともいえる。
―まちの課題は何か。
人口減少が悩み。自然減を抑えるためにも、保育料や医療費の助成だけではなく、結婚や出会いの場を創出し子どもを産み育ててもらう必要がある。一方で、現在住んでいる人に長く暮らしてもらうには働く場所が欠かせず、職の確保に向け既存企業を応援しなければならない。基幹産業の農業は農家戸数が減少しているので、新規就農者を増やして独り立ちできるように育てていく。
また、若い世代は旭川や札幌に進学・就職で行ってしまう。雇用・教育・医療環境がそろっていれば帰って来られると思うので、これらをきちんと整備したい。
―地域の活性化策は。
陸上競技場を本年度リニューアルしたが、旧音江中もスポーツ・文化団体の合宿所として改修し2018年4月の供用開始を目指している。もともとスポーツ合宿は盛んだが、市内に宿泊施設が増えることでより時間を有効活用できる。
このほか、道の駅では深川のコメやリンゴで作ったシードルを販売し好評を得ている。特にシードルは新商品開発の計画もあるため、より戦略的に売り込んでいきたい。
―北空知という広域連携の可能性は。
維持管理や財政面の負担軽減、児童数の減少などを図るため、既に給食センターは広域連携で運営している。観光面でも連携が可能で、北空知には北海道ならではという田園風景が広がり旭川空港にも近いため、外国人観光客にこの景色をPRできるのでは。
このように頑張れる余地はあり、可能性を秘めている地域だと思う。今後も効率的にできる分野は広域連携で取り組み、ここに住んでいることを誇れるよう課題を解決していきたい。
山下 貴史(やました・たかふみ)幌加内町出身、1952年10月24日生まれ。初当選は2007年で現在3期目。2017年6月28日付掲載