交流人口増やし、まちの振興を
お米やワイン、マンゴーなど、多様なものが町内で生産されている浦臼町。人口は2017年5月末現在で1911人と空知管内で最も少ないが、豊富な農作物を生み出す農業、道の駅を中心とした観光の振興を通じ、雇用創出や魅力向上に努めている。
―浦臼町といえば食べ物のイメージが強いが。
基幹産業は農業で、お米を主体にメロンやスイカ、そばを生産している。
民間では神内ファーム21がマンゴーや和牛を売り出しているほか、鶴沼ワイナリーの拠点もある。それぞれ雇用の場を生み出すだけではなく、商品がふるさと納税の返礼品にもなるなど、経済的にも大きな役割を果たしていると言える。
ワインについては、日本最大のワイン用ぶどうの作付面積を誇る。醸造所がないため今は搾汁までしかできないが、総合戦略に盛り込んだように将来的には醸造所の開設を目指している。
―まちづくりの課題は何か。
人口が空知管内で1番少ない。農業では担い手を確保したいと考えているが、多くの人材を雇うと赤字になってしまうという悩みを抱えている。
コンビニがないことや民間の賃貸アパートが少ないことも影響し、どうしても若い世代は札幌に出てしまう人が多い。
―活性化の対策は。
道の駅つるぬまを中心に交流人口を増やすことだ。道の駅の近くには温泉や宿泊施設として利用できる自然休養村センターのほか、鶴沼公園キャンプ場など観光施設が集中している。ただ、道の駅のトイレをはじめ各施設は老朽化していて、休養村センターは耐震化も必要。この課題や観光の在り方を検討するため、産業観光推進グランドデザイン策定に取り組み始めた。町民の意見を聞きながらまとめていく。
―課題解決に向けた意気込みを。
人が減ってしまうと、町の振興・発展は右肩下がりになる。昨年度を振り返ると、残念ながら亡くなる方が多かったが、一方で生まれてくる赤ちゃんも多かった。人口減少は厳しいが、こうした状況を踏まえ、農業や観光といった町の強みを生かし、持続性のあるまちづくりに取り組んでいきたい。
斉藤 純雄(さいとう・すみお)豊浦町出身、1952年8月21日生まれ。初当選は2012年で現在2期目。2017年7月5日付掲載