温泉やカーリングの魅力活用
開基125年を迎えた妹背牛町。飲泉が可能な妹背牛温泉ペペルや道内でも数カ所しかないカーリングホールなど、独自の魅力を生かしたまちづくりを進めている。
―妹背牛の特徴は。
面積は48・6平方㌔と小さいが、基幹産業が農業で周囲に石狩川、雨竜川、大鳳川が流れていることもあり水田が全体に占める割合が大きくなっている。ただ、そのぶん水害は多く、今後も防災対策の強化を図っていく必要がある。
―まちづくりの課題は何か。
人口減少が雇用に与える影響が大きい。若い人はどうしても滝川や深川といった近隣をはじめ、札幌、旭川など町外に出てしまうため、雇用を増やすのは難しく、農業も耕作放棄地こそゼロにとどめているが後継者が不足している状況だ。
このため、商業活性化・経営安定対策として小売店舗への設備支援や資金融資に関する保証料の助成、商工会事業の支援を実施していて、移住・定住促進対策では町外者を対象に1坪5000円の宅地分譲に取り組み、人を呼び込もうとしている。
―妹背牛温泉はどう活用していくか。
ことし3月5日、妹背牛温泉ペペルで開いた温泉療養効果実証調査報告会フォーラムに温泉学者の松田忠徳氏を招き、ペペルの温泉を飲むことで健康に良い効果があることを科学的に説明してもらった。療養効果をセールスポイントとして各地にPRし、飲泉のブランド化、利用者拡大、経営安定化につなげていきたい。
―今後の展望を。
基幹産業の農業では、ICT農業の推進・普及や就農の祝い金として5万円を助成する取り組みを展開しており、担い手の増加が期待される。
また、カーリングホールは、ここで練習した選手が世界大会に出場したことで、オリンピック選手が輩出される可能性も出てきている。「カーリングの町・妹背牛」というブランド力を高め、選手の育成を図っていく。
現在、高齢化率は44%、人口も6月1日時点で3068人という厳しい状態だが、温泉やカーリングホール、農業などの魅力を活用し、町民が幸せに暮らせるよう施策を進めたい。
寺崎一郎(てらさき・いちろう)妹背牛町出身、1955年1月27日生まれ。初当選は2009年で現在2期目。2017年7月14日付掲載