新施設生かし、交流人口拡大を
ことし4月1日に屋内遊戯施設「キッズスクエアちっくる」がオープンした秩父別町。来夏には同じ敷地内に屋外遊戯施設も開業する見通しで、交流人口拡大といった効果が期待される新たな拠点施設を生かしたまちづくりが進められている。
―町の特徴は何か。
基幹産業は農業で、ブロッコリーが特産品となっている。ブロッコリーを練り込んだパスタやブロッコリーパウダーを使用したランクドシャ、アイスなどの加工食品も開発しており、道の駅で販売中だ。
ただ、農業を含めた商業全体で後継者不足という課題を抱え、買い物をするにしても隣の深川市へ行く人が多いなど、深刻な状況だと受け止めている。
―屋内・屋外遊戯施設の開業効果は。
屋内遊戯施設「キッズスクエアちっくる」は4月にオープンしたが、旭川、深川、留萌、滝川、札幌など町外からも多くの家族連れが訪れていて、7月1日には来場者が3万人に達した。
同じ敷地内に建てる屋外遊戯施設は、本年度に工事を進め、2018年7月に供用を開始する予定。子ども向けの遊具に加え、健康遊具も併せて整備する。
これらの周辺にはキャンプ場や秩父別温泉もある。しかし、どちらも老朽化が著しいため、キャンプ場の水はけや温泉の客室を改善するなど、一体的なリニューアルが必要だと考えている。
遊戯施設や観光、温浴施設の近くには国道が走っていて利便性も良く、交流人口の増加、知名度向上、そして経済効果など町に与える影響は大きい。
「キッズスクエアちっくる」の維持費にはふるさと納税を活用しているので、利用者の増加だけではなく、維持費確保に向けてもしっかりとPRしたい。
―今後の展望を。
町の人口は7月末で2432人と減少傾向にある。人口を減らさないようにすることに加え、若い人の転入を増やすためにも移住・定住対策の充実を図る考えだ。産業振興では、生産性・収益性の高い農業生産法人の育成に努め、基幹産業を支えたいと思っている。こうした施策を進め、安心して暮らせる環境をつくりたい。
神薮 武(かみやぶ・たけし)秩父別町出身、1946年5月15日生まれ。初当選は2007年で現在3期目。2017年8月4日付掲載