官民連携で地域活性化策推進
農業が盛んな「緑豊かな田園の町」である沼田町。町民アンケートから導き出されたまちの将来像を実現するため、農村型コンパクトエコタウン構想に基づき官民連携の施策を展開している。
―町の特徴は。
水稲と花卉(かき)栽培を主体とする農業が基幹産業で、2016年産の水稲の道内市町村別収穫量は9位。幌加内町を含めた北空知1市6町で組織する北育ち元気村花き生産組合の花の販売額は6年連続全道1位となっており、沼田町も貢献している。
―まちが抱える課題は何か。
高齢化が進み、離農が増えているだけではなく、交通、医療、住宅に不安を持つ高齢者も多い。
また、JR留萌線の存続問題もある。石狩沼田駅の1日の利用者は70人前後で、ほとんどが深川や滝川に通学する学生だ。住民の足、物流など町の発展の礎となった公共交通をどうするか、沿線自治体と協議を重ねていきたい。
―対応策は。
14年度に内閣府が募集した農山漁村・過疎地域等型の地域活性化モデルケースに沼田町農村型コンパクトエコタウン構想が選定された。これは「官民連携と地域連携で実現する地方創生」をコンセプトに掲げ、500m範囲に医療、福祉、学校、買い物など生活に必要なものがそろうまちづくりを目指すもの。
ことし4月には町、商工会、北いぶき農協が出資した新会社の商業コミュニティー施設が完成。中核施設となる地域密着多機能型総合センターは、診療棟とデイサービスセンター棟で構成し、ことし10月にオープンする。
18年4月からは、沼田小と隣接する沼田中が教師の乗り入れ授業や、合同運動会など連携教育を行う通称・沼田学園を展開する。
―地域活性化推進に向けた今後の展望は。
町内には8つの農業生産法人があり、4000haの農地を生かすため農業従事者の育成に努めている。
このほか移住・定住促進への住宅新築・リフォーム助成、保育園料負担などの補助制度を設けた。全ての人の要求を満たすのは大変だが、町の持つポテンシャルを生かし「緑豊かな田園の町」を実現したい。
金平 嘉則(かねひら・よしのり)沼田町出身、1954年1月1日生まれ。2011年に初当選し、現在2期目。2017年8月11日付掲載