空知を語る 24首長

空知を語る 24首長 連載を終え、見えてきた未来

2017年09月23日 07時00分

食支える大きな役割 知名度上げ観光客増や移住定住へ

 北海道の中で、最も多くの自治体で構成する空知。管内24の首長にインタビューをする「空知を語る」という連載をこのほど終えた。各自治体が抱える課題や、今後のまちづくりの展望を聞く中で、空知の可能性や未来が見えてきた。

 インタビュー中、どの首長も必ず話していたのが「人口減少」と「少子高齢化」だ。国勢調査によると、空知管内の2015年の全人口は30万8000人で、炭鉱により地域が栄えていたピーク時(1960年)の82万人から約6割減少した。まちが衰退し、若者は都市部へ流れ、労働人口が減り、商店街や産業が衰退していくという課題に悩む首長は多かった。

 一方で、空知の大きな特徴は何と言っても農業だ。さまざまな作物が栽培される空知では、ブランド商品を作ったり、札幌など都市部での消費に貢献している自治体も多い。特に米どころとしての空知の位置付けは大きく、管内の水稲作付面積は4万6000ha(16年)に上り、全道の約44%を占める。ちょうど今時期は、稲穂が頭を垂れ、収穫の時を待つ。空知は、道内や国内の食を支える大きな役割を担っている。さらに、古くから地元で愛されてきた、なんこ汁やガタタン、焼き鳥、がんがん鍋など、食文化も豊かだ。

 美唄市出身の佐々木誠也空知総合局長は空知の魅力について「仕事で各自治体へ行くと、食べ物などで新たな発見がある」と話す。それと同時に、「札幌からは日帰り圏内で観光にはもってこいだし、イベントでは、若い人の〝息吹〟のようなものを感じる」と、人口減少の中にあっても、地域のエネルギーに触れる機会が多いという。

 また、空知にとって大きな財産は「炭鉱」だ。空知管内の半分の自治体は炭鉱で栄えた歴史を持つ。一方で、エネルギー施策の転換により、炭鉱が閉鎖され、まちまで衰退するなど、国策に翻弄されてきた。

 そんな中、行政や議員などが中心となって進めているのが「炭鉄港(たん・てつ・こう)」だ。炭鉱の歴史を持つ空知、港湾を持つ小樽、鉄鋼を持つ室蘭が連携して地域の歴史を再発見し、北海道の産業化を支えた炭鉱の価値も高めていくという取り組み。こうした連携を図ることで、地域全体をボトムアップし、炭鉱を「負の遺産」から、「日本遺産」へ引き上げていくための機運が盛り上がりつつある。

 食に観光、炭鉱の歴史…。空知はポテンシャルが高く、観光への切り口となる素材がいくらでもある。一つの自治体ではできないことは道がつなぎ役となり、「空知」を、日本、世界にアピールし、知名度を上げ、観光客増加や移住・定住につなげることを大いに期待したい。
(空知支社・塩原 歩記者)


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