日銀札幌支店は22日、9月の金融経済概況を発表し、道内景気の全体感を6カ月連続で「回復している」とした。台風被害の復旧工事をはじめとする公共投資が増加していることに加え、海外経済の回復を背景に鉄鋼を中心に輸出が緩やかに持ち直している。
10項目中、輸出のみ判断を上方修正した。食料品が弱含んでいるものの、アジア向けに化学製品や鉄鋼といった一部品目で強い動きが出ていることが要因。一方、生産では、電気機械の一部で生産体制の見直しや、輸送機械で弱めの動きが見られるとし、判断を「横ばい圏内の動きとなっている」に下方修正した。ほかの8項目については判断を据え置いている。
記者会見で小高咲支店長は、公共投資や輸出の増加が企業収益の改善につながり、設備投資や賃上げをもたらす好循環になっていると総括。ただ、公共投資の割合が大きい災害復旧が一段落した際、民間需要が持続的に改善するかが、景気の回復基調を維持するポイントの一つになると指摘した。