協同組合札幌総合卸センターの再開発が動きだす。札幌市東区北6条東2丁目から東4丁目までの3街区にある同センター加盟各社の事務所機能を、東4丁目街区に集約し新ビルを設けるもので、施工者を岩田地崎建設、実施設計をドーコンに決めたことが25日分かった。2018年度から約1年半をかけて既存施設の解体、建設を進める見通し。売却を検討する残りの2街区についても、大手デベロッパーがマンションやホテルなどを描くプランニングを進めているとみられ、JR札幌駅東側で、また一つ大型プロジェクトの芽が出ている。
同センターは、東2丁目から東4丁目の3街区に事務所を置く住宅用資材卸や医薬品卸、衣料品卸など約30社で構成。共同会館を含む既存8棟が築40年以上と老朽化が著しいことから、これまで、東4丁目街区でのビル建て替えを軸に準備を進めてきた。事業費は約50億円とし、資金は東2、3丁目街区の売却益で賄うことを検討する。
新ビルは、東4丁目街区にある6号館の跡地とその周辺に設ける計画。規模は固まっていないがS造、13階、延べ約1万5000m²を構想。施設と直結して、2階建てで、延べ約1600m²の物流倉庫も備える。1、2階にエントランスや貸し展示場、会議室などを設置し、3階から上階に延べ1100m²程度のオフィススペースを整備する考え。同じ街区にある7、8号館は、解体後に駐車場となる。
JR札幌駅東側では現在、北海道ガス札幌工場跡地の北4東6周辺地区や、同卸センターに隣接する札幌繊維卸センター跡地などで再開発計画が相次いでいる。立地の良さからマンションを中心に、建設工事が進行中だ。
売却を検討する東2、3丁目街区(敷地面積各約9000m²)の土地利用について同卸センターは、「何も決まっていない」とするが、複数の不動産関係者によると、大京など大手デベロッパーがプランニングを進めているとみられる。マンションを核に、ホテルなどを構想しているもようで、同卸センターの新ビルが竣工した後、再開発の動きが本格化しそうだ。