道路工業(本社・札幌)は2019年2月に迎える創立70周年の記念事業として、建設業の仕事や災害復旧の様子を絵本で子どもたちに分かりやすく伝える絵本製作プロジェクトを進めている。26日公開した同社ホームページ上の同記念事業専用サイトで、取り組みを紹介している。
同プロジェクトの発足はことし4月。同社は創立70周年の記念事業の一貫として、15年から4カ年で札幌市内全ての児童会館とミニ児童会館などに絵本約1000冊を寄贈する取り組みを進めてきた。
その中で発生した台風による昨年の災害。これを受け、復旧に当たる建設業者の姿を伝えたいとの思いから、黒田健一総務部長を中心に5人から成るプロジェクトチームを結成、オリジナルの絵本づくりを始めた。女性ならではの柔らかい視点も取り入れるため、2人の女性社員も参加している。
道路の大切さを伝えるストーリーには、自然災害からの復旧の過程や、デフォルメした重機を使った道路施工の工程も紹介。動物の特性と重機を組み合わせ、道づくりの様子を楽しく伝える。
18年度内の刊行を目指しており、19年1月の同社新年交礼会でお披露目した後、同年春に市内全ての児童館などに配布する予定だ。
黒田部長は「災害で最初に動く建設業は北海道に必要な産業。災害が起こっても明るい未来に向けて復旧できることを伝えたい」と期待を寄せる。
現在、プロット製作が佳境に入っている。作り込んだストーリーやイメージに基づき、札幌市在住のイラストレーターすずきももさんが作画。社員の子どもたちから募集した道路のイラストなども活用する考え。
技術部の城近里枝さんは「作家さんに最初はもやっとしたイメージしか伝えていなかったので、より具体的に伝えないと」とイメージを形にする難しさを実感している。
公開した専用サイトでは製作過程をプロジェクト日誌として更新する。経理部の萬年可菜実さんは「絵本づくり自体がどう進むか、言葉で面白く伝えたい」と話している。