ホテル投資に熱 札幌市内ススキノや大通中心に進出加速

2017年09月27日 11時00分

札幌都心部でホテル進出が加速している。判明しているものだけでも9月時点で計画、着工合わせて計12件に上り、不動産総合サービスのザイマックスやホテル運営などを手掛けるレッドプラネットジャパンでは、既に2棟目を計画するなどススキノや大通を中心に土地取得に奔走する企業も少なくない。今後も来道する訪日外国人や国内旅行者の増加が見込まれることから、ホテル投資の熱は続きそうだ。

 本紙集計によると、2017年度に入って着工したホテルは、大通エリアで中和石油の「仮称・東急ステイ札幌大通」、東急ステイの「仮称・東急ステイ札幌大通東」、JR札幌駅北口エリアで京王電鉄の「京王プレリアホテル札幌(仮称)」など7件を数える。

 このうち、北区北7条西2丁目5の3で着工した学校法人高宮学園の施設では、JR東日本が入居しホテル運営を模索するなど、道外企業の出店が目立っている。いずれも宿泊特化型で、客室200―300室程度の規模。18年度から順次開業していく。

 一方、今後のホテル出店計画では、オークラニッコーホテルマネジメントが中島公園近く、ザイマックスが狸小路商店街、レッドプラネットジャパンがススキノでそれぞれ検討するなど5件が浮上。そのほとんどが土地を取得済みだ。

 JA三井リース建物に関しては、中央区南5条西6丁目でホテルを建設中だが、隣接してサンケイビルと共同でもう1棟を新設する考え。同じ区画に2棟並んでホテルを設けることについては、来道する訪日外国人の急増に伴い、宿泊施設の需要を見込んでの開発としている。

 近年、札幌都心部ではホテル用地の取得が相次いでおり、商業地の地価が上昇しているほか、適地も少なくなっている。国土交通省が発表した17年都道府県地価調査(7月1日時点)によると、ススキノや中島公園駅周辺など、割安で利便性の高い地点の伸び幅が大きかった。

 北海道不動産鑑定士協会は、札幌都心部では訪日外国人の増加を背景にしたホテル用地の引き合いが強く、地価上昇をけん引していると分析。ススキノや大通、中島公園駅周辺では容積率も高いことからホテル需要はまだまだ伸びるとみている。


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