真砂徳子の起ーパーソン 風をおこす人々 第54回 株式会社クラウドナイン代表取締役 クリエイティブ北海道代表 峰江 卓也(みねえ たくや)さん

2014年12月19日 15時40分

 峰江さんは、北海道を代表するファッションプロデューサーです。中でも、企業や店舗のCI(コーポレート・アイデンティティー)を表現する〝デザインユニフォーム〟は、国内外の注目を集め、札幌ドームや新千歳空港のインフォメーションデスクの制服をはじめ、台湾の高級ホテルや飲食店からの引き合いも多く、好評です。また、主にアジア地域に向け、北海道の優れたクリエイティブカルチャーを発信するプロジェクト「クリエイティブ北海道」の代表も務め、〝クリエイティブ〟を切り口に、北海道のプロモーションにも力を注いでいます。

★峰江さんは長年、道内アパレル企業の草分け的存在「きりあき」の企画や販促プロモーションに携わり、業界をけん引されていました。ご自身がデザインから手掛ける〝デザインユニフォーム〟を展開するようになった経緯は。

峰江 卓也さん

☆峰江 きりあきの経営企画室長だった時に、社内ベンチャーを推進する「プロジェクト制度」を設け、04年に、自らその第1号「キリアキプランニング」を立ち上げました(05年「ジェイドクラフト」として独立)。ちょうど〝ブランディング〟という言葉が世に出始めた頃で、さまざまな企業がオリジナリティーあふれる制服を求めていたんです。単なる作業服の枠を越えたユニフォームの企画・製作に可能性を感じました。

 私が提案する〝デザインユニフォーム〟は、制服を企業のブランド力や信頼性を高めるツールと捉えています。デザインには、企業の姿勢や考え方を反映させ、着用するスタッフのモチベーションが上がるような〝かっこよさ〟も重視。他社との差別化に関心を寄せる企業から、次々に依頼をいただくようになったんです。

 台湾進出のきっかけは、08年に台北で行われた北海道商談会(主催・JETRO)でした。会場になっていたホテルの女性スタッフたちが、私のデザイン画と制服サンプルの展示に足を止め、「こんな制服が着てみたい」と盛り上がっているんですよ。ピンときて、早速翌日、現地のバイヤーに制服市場の事情をヒアリング。また、縫製工場に足を運び、台湾の制服デザインの多くが日本製の模倣である事も知りました。

 日本のものづくりに対する信頼が高く、親日家も多い台湾での新展開を目指し毎月台湾を訪ね、営業や工場探しに奔走。台北オフィスも開設し、現地とのパイプを強化しました。台湾の飲食店やホテルなどに片っ端から電話営業を続けるなど、あらゆる手を尽くして1年近く、台湾の老舗「グランドホテル台北」や「ロイヤルホテル台北」で受注をいただいたんです。現地のメディアで報道されるほど話題となり、除々に依頼が増えていきました。

★クリエイティブ北海道には、札幌と台湾を拠点に活動される峰江さんの視点や経験が生きているのではないかと思います。

☆峰江 台湾では、北海道ブランドの圧倒的な優位性を実感しています。観光地としても大人気で、リピーターも多く、クリーンな環境、豊かな自然、高品質な「食」などのほかに、新たな魅力をPRしていく事で、旅行者受け入れ数のさらなる増加も期待できるでしょう。

 クリエイティブ北海道は、経済の波及効果も視野に、産官学の連携で11年に始動し、以来毎年、東アジアの主要都市に出向き、アート、ファッション、音楽など、メイドイン北海道のクリエイティブカルチャーを盛り込んだ北海道のプロモーション事業を展開。私は2年目から参画しています。

 ことしは台北とバンコクで、北海道のトップクリエイターの作品展示やファッションショー、札幌の人気シェフによる食のプレゼンテーションなどを開催し、盛況でした。プロジェクトメンバーは、「北海道愛」を共有する異業種の面々。今後もメンバーそれぞれのアイデアやノウハウが生きた多元的な仕掛けに腐心し、世界に向け、奥の深い豊かな北海道の魅力を発信し続けていきます。

★昨年は、海外での事業を柱にした「クラウドナイン」を新たに設立されました。展望は。

峰江 卓也さん

☆峰江 台湾では、取引先が急に倒産しお金が回収できなかったり、何度も契約を交わしたにもかかわらず、あっさり内容が変更になったり、日本の常識が通用せず面食らう事態もしばしば。一方で、現地ブレーンとの信頼関係や地場企業との連携が深まり、文化の違いを認め合えるからこそ生まれる新境地に、創造力がかき立てられる事も少なくありません。

 そもそも「クラウドナイン(cloud9)」は、上昇気流で立ち上る積乱雲を表す気象用語。ある発明家は、てっぺんの9層目を、宙に浮く完璧な「楽園」と位置付け、空中浮遊都市を構想したそうです。私が思い描く「クラウドナイン」は、さまざまな価値観や個性を生かし合えるクリエイティブな楽園。その思いを社名に込めました。最近は、アジアへの市場拡大を図る道内企業や、日本での販路開拓に奮闘する台湾のメーカーから、相談を持ちかけられるんですよ。

 先んじた台湾進出で築いたネットワークを駆使し、例えば、彼らの橋渡し役やつなぎ役としても力になれるのではないかと思案しています。事業や活動を通し、「共感」や「共存」の輪(和)を広げ、創造の喜びや価値を、国を越え業界を越え、一人でも多くの人たちと分かち合っていきたいですね。

取材を終えて

斬新な発想と仕掛けで

 きりあき時代は、グラミー賞のような演出で社内表彰式を盛り上げたり、ブランドの販社だったきりあき自体のブランド化に奮闘していたという峰江さん。それまでにない発想でさまざまな仕掛けやプロジェクトを行ってきたそうです。〝0を1にする〟峰江さんの視点と実行力に力をいただいたインタビューでした。


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