日本デザイン振興会が4日発表した2017年度グッドデザイン賞に、札幌市内から「sitatte sapporo 札幌フコク生命越山ビル」と札幌市路面電車停留場(狸小路停留場、西4丁目停留場〈内回り〉)の2件が選ばれた。
ことし3月、札幌市中央区北2条西3丁目1にオープンした札幌フコク生命越山ビルは、地下1地上13階、延べ1万8844m²の規模で、構造は地上がS造、地下はS一部SRC造。
通りのにぎわいを建物の中に引き込み、札幌駅前地下歩行空間「チカホ」と地上をつなぐ街路「ステップガーデン」を建物内に展開。建物中央に地下から地上2階まで階段状につながる街路は、移動だけでなく、人の居場所になり、展示・イベントの会場にもなる。
審査委員は、地上とは切り離され、窓がないために閉そく的な空間となりがちな地下空間を、巨大な階段状の斜めの空間とすることで地下奥にまで光を届け、明るい地下空間を実現している点や、大階段が立体的なステージのように機能し、都市における新しい居場所を生み出している点などを評価した。
受賞対象者は富国生命保険、越山ビルディングズ、清水建設1級建築士事務所の3者。
札幌市路面電車停留場は、昨年12月開業した同市電のループ化に合わせ、都心部に設置された。
コンセプトは「創造都市札幌の先進性、透明感のある気候風土、やさしさといった札幌らしさを的確に表現するデザインを実現」。延長27m、幅約2・3mの大きさで、6㍉の鋼板SS400で構成されるサンドイッチパネル構造。壁・屋根ともにパネル厚は250―300㍉。内部のスチフナは短手方向にのみ500㍉ピッチで配置されている。
審査委員は「都市環境を向上させるため、LRTなどの路面電車の価値が復活して久しい。電停は、日本中にいくつあるのだろうか。シンプルかつ美しい、こんな電停が増えていけば、わが国の都市景観も格段と良くなっていくだろう」とのコメントを寄せた。
受賞対象者は市、設計を担当したオリエンタルコンサルタンツ、デザイナーのネイ&パートナーズジャパンの3者。