農業経営効率化へ情報支援システム ネクシス光洋が開発

2017年10月12日 07時00分

 測量調査やシステム開発を手掛けるネクシス光洋(本社・旭川)は、農家の経営効率化に向けた「栽培履歴支援・農業情報支援システム」を開発した。同社が各農業団体とほ場データや地籍図を共有している既存システムに、栽培に使用した資材や農薬などが把握できる生産履歴システムやGAP(農業生産工程管理)システムなどを組み込み、タブレット端末でも確認できるようにした。今後はドローンによるほ場の撮影データも取り入れ、システムの精度を高めていく考えだ。

 同社は、生産性の向上や、農地が被災した場合の早期復旧を図るため、ほ場の状況や所有者、作付面積といった基礎データを上川中部管内の市町村や農協、土地改良区など各農業関係機関と共有する上川中央部農業機関GISデータネットワークシステムを約10年前に構築。約3万8000haのほ場データが蓄積されており、情報精度を保つため定期的にデータ更新も進めている。

 この膨大な基礎データをさらに活用することで、稲作農家の経営効率化に貢献しようと3年前から新システムプログラムの開発に着手。生産履歴やGAPシステム、農薬散布などの防除支援、ほ場ごとの栽培品種が一目で分かる耕地図システムなどを段階的に導入していった。さらに、高齢化が進む農業従事者にも分かりやすくするため、タブレットでもデータ閲覧や操作を可能とした。

 新システムについて、森賀信之取締役は「当社はもともと測量設計を手掛ける会社。位置情報を大量に蓄積し、定期的に更新してきたため精度が高い」と特長をアピール。また、「旭川に拠点を構えているのでシステムに何かあってもすぐに対応できる」とも話している。

 新たなシステムの開発に一定のめどが付いたことから、同社は日本政策金融公庫旭川支店中小企業事業の「新事業育成資金」を活用し、事業拡大を目指していく。

 森賀取締役は「このシステムをまずは軌道に乗せたい。今後はドローンによる生産管理データを活用し、システムの醸成を図っていきたい」との見通しを示した。


関連キーワード: 農林水産

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • 川崎建設
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,413)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,319)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,318)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (1,123)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,066)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。