被災地たずねて (2)高架でまちの景色一変

2015年11月18日 10時27分

 山元町で特に復興が進んでいるのが、山下地区だ。

山下地区の駅前広場の工事現場

 ここにはJR常磐線の山下駅のほか、公営住宅や分譲地、小学校、保育所、スーパー、公園、防災拠点施設などが整備されることになっており、2年前に訪れた際には公営住宅が数棟だけだったものが、今では多くの公営住宅が立ち並び、分譲された土地では既に住宅建設が行われている物件が何軒もある。

住宅が少ないため電線が目立つ

 新たなまちができるに当たり、付近は電柱と電線だらけ。その区画は随分と小さく見えて、電線は糸のように張り巡らされている。道路も真新しく、訪れた時には、ちょうど移動販売の自動車が来ていて、にぎやかな音を鳴らしていた。

 何より、まちの景色が違って見える大きな要因が鉄道の高架だ。昨年の初夏に訪れた時にはまだ姿形がなかった高架がこの1年ほどで完成しており、まちを立体的に見せている。

完成間もない鉄道高架

 山元町に敷設されている高架は北側の工区を鉄建建設、南側の工区を鹿島が担当している。土木工事はまもなく完了し、現在はレールを敷設中。今後、車両の試験運転が行われるという。

 もともとのJR常磐線の線路は海からほど近い場所にあったため、津波で流された。当時、線路跡にはたくさんの遺体が並べられていたという。この流された線路の跡地には、国道6号を補完する県道が整備される。

 山下地区は山元町役場に近く、山下地区と役場に直結する道路の整備も進められ、まさに「コンパクトシティ」の様相だ。その道路工事も着工した。今後は役場庁舎の新築も計画されており、現在、設計が進められているという。

(2015年11月18日掲載)


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