おとなの養生訓

おとなの養生訓 第122回「入浴と睡眠」「深部体温」下げて就寝

2017年10月13日 11時12分

 一日の仕事が終わってご帰宅。食事を終えてから、入浴、そして就眠というパターンの方も多いと思います。実は、入浴と睡眠は関係があり、適切な入浴によって、速やかに寝付くことができるのです。

 体の中心の体温を深部体温といいます。深部体温は、なるべく一定になるように調節されていますが、それでも一日のうちにゆっくりと変動して、夕方に一番高くなり、そこから朝方にかけて最低になります。この夕方から朝方にかけての深部体温の低下と、眠気が生じることに強い関連があることがわかっています。つまり、深部体温が低下すると眠りやすくなるということです。

 入浴、とくに比較的長めの入浴をすると、深部体温は上昇しますが、入浴後、逆に急速に深部体温が低下してゆくことがわかっています。この反応は、入浴によって一旦深部体温が上昇することが重要だとされます。入浴後に深部体温の低下は、眠りをスムーズに引き起こすのです。

 さらに、入眠後も、より深い眠りに入りやすくなり、睡眠の質も高まることがわかっています。深部体温の上昇のためには全身がお湯に浸かるようにして、数分は入るようにします。一方、シャワー浴では深部体温がほとんど変化しないので、睡眠を促進する効果は得られません。

 したがって、帰宅後は入浴してから睡眠するのがいいのですが、風呂から上がってから床に入るまで、1、2時間程度あけるのが良いとされます。入浴直後は、まだ深部体温が高いので、むしろ眠気は全くありません。お風呂の刺激により興奮気味ともいえます。それから1、2時間の間に急速に体温が下がってゆくので、その後に就寝すれば良いという訳です。

 夕食を食べた直後に眠るのは、消化に良くないので、それを考慮に入れると、帰宅後のルチーンはこうなります。まず、ゆっくり夕食、そして1時間ほど時間をおいて入浴。入浴後はテレビを見たり、読書したりして、1、2時間ゆったり過ごしましょう。そして就寝。あっという間に眠りにつくことでしょう。深い眠りが続き、翌朝はすっきりと目覚めるのです。確かに、こんなにゆったりと過ごしたら、よく眠れそうです。みなさんもいかがですか?

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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