途切れたレール 第2回 自治体連携し利用促進 新冠町長 小竹 国昭氏

2016年01月29日 11時27分

新冠町長 小竹 国昭氏

不通から1年が経過した地域の現状は。

 日高線利用者の大多数は高校生。新冠町内には高校がなく、高校生は静内などへ列車かバスで通学していた。代行バスに切り替わった当初は利用者から苦情が出ていたが、JRがダイヤを調整したため現在はそれほど大きな問題はない。ただ、常態化するとあまり声が出てこなくなる傾向がある。満足してはいないが、言っても仕方ないと。早く運行を再開しないと住民の思いがバラバラになる。いつまでもこのままではいられない。

日高線沿線自治体協議会が発足した。何を目指しているのか。

 沿線自治体協議会は、復旧後を見据えた前向きな会議。将来の地域づくりやそれに対して日高線が果たす役割、沿線自治体同士の関わりという観点から、日高線を維持するために利用促進策を出した。私たちも協力して維持に向けた対策を講じる必要がある。運行再開後、沿線自治体とJRが共に利用促進を図り、日高線を守りたい。

利用促進策には観光分野が多いが。

 以前から日高線は不便だったため、促進策を通じ利用しやすくしたいという思いがある。日高線は車窓からの景観がよく、東京に住む私の孫がよく乗りたがった。利用しやすければ観光客は乗るはず。新千歳からのアクセスも良くなれば。

 日高へは競走馬目的で来る人もいる。新冠にはサラブレッド銀座と呼ばれる道路があり、夏になると車を止めて写真を撮る人をよく見掛ける。ハイセイコーやオグリキャップが種馬として来たときは、車が渋滞するほどの人気だった。最近はそんなことはないが、ことしからは、有名なゴールドシップが新冠の牧場にいる。これでたくさん人が訪れるのではないか。新ひだかでは夏の間、駅から牧場までバスを走らせている。そのようなことも町同士で連携する必要がある。

 2013年に日高・胆振管内の町長らで、北海道新幹線開業に向けJR九州を視察した。九州では、私たちのように利用促進のアイデアを地域が出し、JRが協力する形で取り組んでいる。

JR九州の事例から得たものは。

 新幹線は速過ぎて景観を楽しめる状況にはならず、ましてや道内はトンネルばかり。新幹線を降りたら必ずどこかへ景色を見に行くはず。その行き先に日高を選んでもらうため、利用促進策を真剣に考えている。少しでもJRの経営が好転するよう、利用者増加を図ることで支援したい。これは地域振興にもつながるため、対策に関連する財政負担は自治体側も受け持つつもりでいる。

 交通が不便だと自宅から高校に通えず、下宿で札幌に出てしまうなど、地元の高校存続にも影響を及ぼす。復旧の工期は3年以上とされるが、早く結論を出し取り組みを進めなければならない。

小竹 国昭(こたけ・くにあき)

平取町出身、75歳。富川高卒。民間企業勤務を経て、1962年に新冠町役場職員に。助役など歴任し、2005年に町長初当選。日高町村会会長を務める。

(2016年1月29日掲載)


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