影響を与えられる技術者に
「自分が育った函館にいろいろな工種の構造物を造りたい」。函館高専を卒業しことし春、松本組(本社・函館)に入社した。
高専入学前から土木志向。きっかけは、中学生の時、函館工高で学ぶ姉が製図に向かう姿が格好良く目に映った。先に高専に入学していたいとこが語る土木の話も背中を押した。「それまでは大きな構造物が出来上がる工程を想像できなかった。設計から始まり人の技術で完成させる話を聞き、自然と自分もそこにいたいと思った」
土木部に配属され、研修の日々が続く。高専で一番印象に残った見学は発破作業という「見たことのないものを見ることが好き」な性格に、自分が第一線に立つ楽しみが加わり、現場配属に「わくわくする」と期待を膨らませる。
小中ではハンドボール、高専では新しいものに挑戦しようと吹奏楽部に入る。「大勢で1つの目標を目指す楽しさは、土木と共通する」
さまざまな世代の多くの人が力を合わす現場は「コミュニケーションが大切。携わる人との交流を大事にし、よりいいものを造るために影響を与えられる技術者になりたい」と夢を描く。「その結果、女性も現場で働けると証明できたらうれしい」と力を込める。
(2016年5月7日掲載)