北海道開発局は24日、昨年8月の台風災害で通行止めが続く274号日勝峠日高町千栄から清水町清水までの36・1㌔区間について、28日午後1時に通行止めを解除すると発表した。当初は一部の区間で片側交互通行の可能性もあったが、建設、コンサル・測量業者の尽力で全線対面通行での再開にこぎ着けた。
台風襲来以降、日勝峠は橋の落下や道路本体の欠損など66カ所が被災し、道央と道東が寸断された状態が続いている。
一刻も早い復旧を目指し、延べ9万3000人(9月30日現在)が昼夜を問わず復旧作業に奮闘。工事は順調に進捗(しんちょく)し、予定通り今秋開通する運びとなった。室蘭、帯広両開建合わせた復旧事業費は227億円を投じた。
大規模災害ながら1年余りでの通行再開はドローンなどのICT(情報通信技術)も効果を発揮した。
同日、記者会見した和泉晶裕局長は、北海道の社会経済に大きな影響を与えた未曽有の大災害だったと振り返り「あらためてネットワークとリダンダンシー(多重性)の確保が重要と感じた」と発言。1年余りの短期間での開通は、「建設業者やコンサル・測量業者の尽力のおかげ」とし、地域産業としての建設業の重要性を強調した。
十勝災害復興推進会議の会長を務める高橋正夫本別町長は「国道274号は十勝にとって輸送の動力。一日も早く開通を願っていた。被災の状況を見て相当時間がかかると思っていたが、全力投球で復旧に当たってくれた。こんなに早く開通できることは大変な喜びだ。工事関係者を含めて本当に感謝したい」と喜びを表していた。
白老の36号竹浦橋は27日通行止め解除
北海道開発局は24日、台風18号で被災した国道36号白老町(竹浦橋)の通行止めについて、27日午前9時に解除すると発表した。
通行止め解除に伴い、現在代替路として利用されている道央自動車道登別東IC―白老IC間約19㌔は無料措置を終了する。
路面が沈下した竹浦橋は、室蘭開建が仮橋設置工事を進めていた。