国内で年間に生産されるサラブレッド約7000頭の8割を占める競走馬の一大生産地・日高管内。管内各町は町ぐるみで地元生産馬や生産者を応援し、地域を盛り上げている。
その一つがGⅠレースの優勝幕。役場庁舎や農協、道の駅の外壁に飾られ、そうそうたるレースを制した競走馬とその生産者の名前をたたえる。
優勝幕は一般的に布製だが、日高町役場の外壁に掲げられているのは看板形式になっていることが特徴だ。その製作と設置は、いさい(本社・日高)が手掛けている。
かつては同町も布製垂れ幕を国道235号沿いの門別町農協に掲げていたが、農協の移転により数年前から役場に変更。このときから形式を改めた。他の催事でも使え、丈夫で長く設置できるよう検討した結果で、垂れ幕より早く製作できるという利点もある。
24日朝、役場外壁に1頭の名が加わった。22日の菊花賞を制したキセキ(下河辺牧場生産)だ。
町は同馬の優勝確定後、即座に設置を依頼。以西弘幸社長と以西弘和専務が「祝優勝GⅠ第78回菊花賞キセキ号」と書かれた黄色の真新しいパネルをフレームにはめ込んだ。以西社長は「町内生産馬の活躍はうれしい。いろいろな牧場の馬に頑張ってほしい」と話す。
看板の枠は6つあるが、近年は他の目的で利用する余裕がない状況。毎年その年のGⅠ馬一色となり、ことしもこれで残り1枠だ。29日には、年内引退を表明しているキタサンブラック(ヤナガワ牧場生産)に天皇賞春秋制覇が懸かる。2週連続で町内産駒GⅠ勝利の可能性がある中、以西社長は「いつでも看板の注文に応えます」と待ち構えている。