津別町は28日、町生活改善センターで複合庁舎建設などまちなか再生基本計画の素案に関する中間報告会を開いた。役場庁舎の建て替え、図書館新築など市街地の再整備案に概算事業費41億8030万円という試算を提示。町民意見の聴取やパブリックコメントで素案に盛り込む内容を調整しつつ、2017年度末までに計画を策定する予定だ。
市街地活性化に向けてまちなか再生協議会が議論を進めてきたが、老朽化が進み耐震性にも問題のある役場庁舎・議会議事堂の建て替え案も浮上してきたため、この2つを統合した計画の策定を町が進めている。
住民への中間報告会では幸町41の役場庁舎・議会議事堂を、津別町農業協同組合、北見信用金庫津別支店、健康福祉センターと統合する建て替え案を提示。複合する建物はRC造で、役場・議会棟が2階、延べ2860m²、健康福祉センター棟が平屋、延べ700m²、民間事業者棟が平屋、延べ920m²を見込む。
一方、豊永5の中央公民館内にある図書室が手狭なため、交流の場となるアトリウムやバスターミナル、公園緑地を備えた新図書館(RC一部S造、2階、延べ1000m²)を国道240号沿いの農協ビル敷地に建設。これに隣り合う形でスーパーなどが入る複合商業施設(S造、2階、延べ1500m²)を新築する構想で、役場と図書館を含め29億5100万円を見積もる。
新町1の津別消防署庁舎はRC造、2階、延べ850m²で現地建て替えするほか、近隣に民間の定住促進・高齢者向け住宅誘致を検討。町ではこれに併設する多世代交流スペース(S造、平屋、延べ700m²)を整備する考えで、これら2施設に8億7950万円を試算する。
多目的活動センターさんさん館の北西側に町営公衆浴場を、RC造、2階、延べ600m²の規模で3億4980万円かけて移転改築。このほかコンテナハウスを設け、現在開催している日曜市を常設させたい考えだ。
複合庁舎の建設位置は現地建て替えのA案、現庁舎の南東側に移転し、庁舎跡地を駐車場にするB案、消防署敷地に移転し、庁舎跡地に定住促進・高齢者向け住宅を置くC案の3つを提示した。
質疑応答では民間との複合庁舎案に対する疑義、用地買収を含んだ正確な事業費の提示とコストダウンを求める声が相次いだ。町住民企画課は「あくまで構想段階」と述べ、信金・農協と本格的に協議し適切な庁舎の在り方を考えるとしたほか、PFIの導入可能性調査などコスト削減に向けた検討を進めることを付け加えた。
町では懇談会やアンケートで町民意見を取り入れつつ12月末までに成案化し、18年1月から2月にかけてパブリックコメントを実施した上で計画を完成させる。役場庁舎については地方債の年限があるため、18年度の基本設計、19年度の実施設計・着工を予定する。