おとなの養生訓

おとなの養生訓 第18回「カラ酒」 胃粘膜傷つけ急性胃炎に

2013年03月26日 15時41分

 カラ酒という言葉をご存じですね。何も食べないでお酒を飲むことです。日本酒好きの中では塩だけなめてお酒を飲む人がいますが、これもカラ酒といえるでしょう。カラ酒は体に良くないことだということは、ご存じである方も多いと思いますが、実際、どのような問題があるのか考えて見ました。

 カラ酒をすると、何も食べ物がない胃の中にお酒が入ります。そうすると、アルコールが胃の粘膜に直接触れることになります。アルコールは洗剤のような作用を示すので、胃の粘膜を覆っている粘液を洗い流してしまいます。

 そもそも胃の粘液は、強い酸である胃液から粘膜を保護する作用を持っているのですが、粘液がなくなると、胃の粘膜は胃液に直接さらされることになります。こうなると、粘膜は破壊され、はがれてしまい、粘膜に炎症が起こることになります。

 また、粘液がないことで、アルコール自体も胃の粘膜から吸収されやすくなります。吸収されたアルコールが胃の壁の組織を直接刺激して、胃液の分泌を促す可能性があるので、粘膜の炎症がさらに悪化します。

 こうなると、痛みや吐き気が出たりします。つまりカラ酒を飲むと、急性胃炎になるということなのです。この急性胃炎はもちろんごく軽いものですから、すぐに粘膜が再生しておさまるのですが、カラ酒を繰り返していると、粘膜は傷んで、炎症が長引くことになります。

 また、すでに胃かいようなどの病気がある時には、症状が悪化します。食べ物と一緒にお酒を飲むと、食べ物が胃にとどまって、お酒が粘液を流したり、粘膜に直接触れたりすることを防ぐことが出来ます。なので、お酒にはおつまみというのが、大人の養生法です。

 ところで、カラ酒とはいかなくても、空腹で宴会がスタートして、まずは乾杯してお酒を一気に流し込むことは誰でもあるでしょう。すぐに何か食べれば、大丈夫かも知れませんが、やはり胃に負担をかけるのは間違いありません。

 とくに乾杯のお酒がビールだと、炭酸が胃液の分泌を促す効果があるので、胃の粘膜はピンチです。宴会スタート前に、チーズをひとかけら食べると、チーズが胃の中で溶け拡がって粘膜を保護する効果があります。疲れやストレスで胃腸の調子が思わしくない方は、試してみてください。まあ、飲まないに越したことはありませんが…

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

株式会社クリエイター
  • 東宏
  • 川崎建設
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

工事が順調に進展 仮称・苫小牧中央インター線
2020年06月16日 (2,757)
コストコ 石狩湾新港に道内2店目を検討
2019年12月12日 (2,023)
道央道で高強度繊維補強コンの試験施工 東日本高速道路
2020年06月29日 (1,785)
明治、札幌工場敷地1.3万m²を売却へ 恵庭に新工場
2020年07月03日 (1,297)
コストコ石狩倉庫店 21年春開業へ
2020年04月24日 (1,285)

連載・特集

連載 サハリン・スケッチnew

サハリン・スケッチ
稚内市サハリン事務所の三谷将所長に、四半期ごとの定期連載で現地の様子を伝えてもらいます。

連載 札幌市新幹部に聞く2020new

札幌市新幹部に聞く2020
4月1日付の人事異動で現ポストに就任した、新幹部4人に今後の抱負などを聞いた。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。