おとなの養生訓

おとなの養生訓 第23回「お風呂とお酒」 〝晩酌〟は湯上がり後に

2013年06月18日 17時33分

 夜、帰宅してから一風呂浴びると、気持ちも体もリラックスして、疲れがとれます。でも、お風呂の人体への作用は単純ではなく、結構複雑です。

 まず、自律神経の活動が大きく変化します。お風呂につかり体を沈めると、交感神経が働きます。交感神経は自律神経の一種で、緊張状態の際に働きます。お風呂に入ると皮膚の温度が上昇し、また水圧が体にかかるので、これが緊張を生み出します。交感神経により血管は収縮し、心拍は速くなるので、血圧が瞬間的に上昇します。

 ところが、そのままお湯につかり続けると、次第に交感神経のはたらきは弱まります。お湯の温度に慣れてくると、気持ちがリラックスしてきます。これにより自律神経の一種である副交感神経が働き出します。副交感神経は体をリラックス状態にする作用があり、心拍が緩やかになり、血圧が下がります。

 このリラックス状態により、気持ちも体も緊張から開放されるのです。しかし、この反応はお風呂の温度によって変わります。熱いお湯では交感神経のはたらきが強くなり、緊張がとれません。ぬるめのお湯では交感神経が弱くなり、副交感神経が強くなるので、リラックス効果が強くなります。

 疲れをとると言うと、お酒も思い当たります。そこで、お風呂とお酒は結構つきものになっています。温泉に繰り出して、徹底的に飲む人がたくさんいますね。ところが、お酒とお風呂は一緒にしてはいけないものなのです。お酒は間違いなく心臓に負担をかけます。

 酔っぱらってドキドキしない人なんていません。だから、酔っぱらったままお風呂に入ると、ドキドキはもっと強くなります。交感神経のせいです。一杯やっていい心持ちになると、風呂に入りたがる人がいますが、とても危険なのです。

 夜、帰宅したら、風呂を先にしてからご飯で晩酌にしましょう。お酒を後にすれば、お風呂で副交感神経が働いて十分リラックスしてからお酒ですから、あっという間に酔いが回って、サッサと酔いつぶれます。でも、お酒が先で、眠くなってお風呂では、交感神経が先に働くので、心臓に負担がかかり、眠気も飛んでしまい、最悪、寝付けなくなります。

 自宅でも、温泉地でも、「ぬるめの風呂が先、お酒後」が、おとなの養生です。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

株式会社クリエイター
  • イイファス
  • オノデラ
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

道内建設会社 毎週5社のペースで消える
2020年08月31日 (8,789)
工事が順調に進展 仮称・苫小牧中央インター線
2020年06月16日 (2,213)
日ハムBP起工式 大林組・岩田地崎JV竹中所長の思い
2020年04月14日 (1,785)
現場の風景 旭川市総合庁舎建て替えと工高生
2020年09月04日 (1,444)
首位は戸田建設 4―6月のゼネコン道内受注高
2020年08月18日 (1,277)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓new

おとなの養生訓
第191回は「じゃがいも」。秋の味覚です。カロリーはご飯の半分、ビタミン豊富で意外にもバランス良く栄養補給できます。

連載 会社探訪記

会社探訪記
地域に根差した企業を不定期で紹介します。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。